アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は15日、エチオピア南部で致死性の高いマールブルグウイルスの発生を確認したと発表した。
マールブルグウイルスは最も致死率の高い病原体の一つで、エボラ出血熱に似ており、激しい出血や高熱、嘔吐(おうと)、下痢などを引き起こすもので、潜伏期間は最大21日間とされる。感染経路もエボラと同様に体液との接触によるもので、致死率は25%から80%に及ぶ。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は14日、エチオピア南部で少なくとも9件の感染が確認されたと述べていた。この2日前にアフリカCDCは、同地域で出血熱の疑いがあるとの通報を受けていた。
アフリカCDCは、マールブルグウイルスが「エチオピアの国立基準検査所によって確認された」とし、「現在、さらなる疫学調査と検査分析が進められており、今回検出されたウイルス株は、これまで東アフリカで確認されたものと類似している」と述べた。
エチオピアの保健当局は、南部ジンカ地域での感染確認と封じ込めに迅速に対応したとしている。
マールブルグ病のウイルスに対しては、現在承認されたワクチンや抗ウイルス治療薬は存在しないが、経口または点滴による補液療法や症状に応じた治療により、生存率を高めることができる。
今年1月にはタンザニアでマールブルグウイルスの流行が発生し、10人が死亡したが、同3月に終息が宣言された。
2025年11月16日(日)