2025/11/25

🟥コンニャクイモから認知症サプリを開発 予防に期待、群馬大

 群馬大発のベンチャー企業「グッドアイ」と学内の研究チームが、群馬県が日本一の生産量を誇るコンニャクイモから、アルツハイマー型認知症の予防が期待されるサプリメントを開発した。廃棄される皮などから抽出した成分が、認知症の原因とされる物質を抑制するという。

 グッドアイ社は、北海道大での別の研究で、コンニャクイモに多く含まれる成分「スフィンゴ脂質」を摂取したマウスから、認知症の原因とされる物質が減少したことに着目。群馬県特産のこんにゃくの製造過程で捨てられる皮などから抽出して特殊なカプセルに入れ、効率よく小腸から吸収できるようにした。

 2026年の販売を目標とし、消費が低迷しているこんにゃく農家に収益の一部を還元することを検討している。研究費調達のためのクラウドファンディング(CF)をしており、年内に一口8000円の寄付をすると、30日分に相当する60錠がプレゼントされる。

 開発した群馬大の板橋英之教授(環境化学)は、「販売価格が急落して疲弊しているこんにゃく農家が、生産を続けられる一助になってほしい」と語った。

 2025年11月25日(火)

2025/11/24

🟥「H3」型インフルエンザの新たな変異ウイルス、国内でも確認

 海外で拡大している「H3」型インフルエンザの新たな変異ウイルスが国内でも確認されたことが、国立健康危機管理研究機構の解析でわかった。専門家は「免疫を持っている人が少なく、感染が広がりやすい可能性がある」として注意を呼び掛けている。

 季節性インフルエンザとして流行する「H3」型の新たな変異ウイルス「サブクレードK」が、今シーズン世界各地から報告されていて、イギリスやアメリカなどでは検出される割合が増えている。

 日本の国立健康危機管理研究機構が今年9月以降に国内の患者から採取したH3型のウイルスを解析した結果、13検体のうち12検体がこの変異ウイルスだったことがわかった。

 イギリスでは、今シーズン、例年より早い時期からインフルエンザの患者が増加しているが、この変異ウイルスの拡大との関連が指摘されている。

 日本でも早いペースで流行が進んでいて、感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎客員教授は「新たな変異ウイルスのため免疫を持っている人が少なく、感染が広がりやすくなっている可能性がある。以前のウイルスより重症化しやすいとは考えられていないが、今後性質を詳しく調べていく必要がある」と指摘している。

 一方、イギリスの保健当局は、現在のインフルエンザワクチンには変異ウイルスに対しても重症化を予防する効果があると報告していて、濱田客員教授は「重症化予防にワクチンが重要なのは変わらないので、接種を検討してほしい」と話している。

 2025年11月24日(月)

🟥ワクチン接種に子宮頸がん予防効果 HPV感染防ぎ、発症リスク80%減

 ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンを16歳までに接種すると、子宮頸がんの発症リスクが80%下がるとの結果を、国際的非営利団体「コクラン」のチームが24日発表した。性交渉で感染する前の年代で接種を受けることで、感染によって生じるがんの前段階に当たる病変やがん自体を防ぐ効果があることを、多数の研究のデータをまとめて再解析する信頼性の高い手法で示した。

 安全性については、立ちくらみなどが特徴の体位性頻脈症候群、強い疲労感が続く筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、まひ、早発閉経、不妊などSNSで接種との関連が言及される病気に着目。解析では、これらのリスク増加とワクチン接種に関連はみられなかった。

 2025年11月24日(月)

2025/11/23

🟥COP30、合意文書採択し閉幕 脱化石燃料の工程表は見送り

 ブラジル北部ベレンで開かれた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は22日、温室効果ガス排出削減の加速を促す新たな対策などを盛り込んだ合意文書を採択し、閉幕した。争点となっていた「化石燃料からの脱却」の実現に向けたロードマップ(工程表)策定に関する直接的な記述は見送られた。

 合意文書は、共同作業の精神を意味するブラジル先住民の言葉に由来し「ムチラン決定」と名付けられた。2015年のCOP21で採択され、世界の気温上昇を産業革命前から1・5度に抑えるとする国際枠組み「パリ協定」の目標達成に向け、温室効果ガス排出削減などの対策の加速を促す。

 工程表の策定は議長国ブラジルが提案。ヨーロッパ連合(EU)諸国や島嶼(とうしょ)国など80カ国超が賛同し、当初案では「化石燃料からの脱却」の文言が記載された。だが、道筋の具体化に対して産油国などが強く反発し、その後文言は削除。これに対し、EU諸国やコロンビアなどが文言の記載を再び要求し、議論は難航した。

 一方、気候変動対策を「史上最大の詐欺」と呼び、COP30に政府高官を送らなかったアメリカのトランプ大統領を筆頭に、各地では対策に否定的な声も上がる。COPの意思決定は全会一致が原則のため、各国は最終的に工程表の策定を見送り、合意形成を優先したとみられる。ただ、ブラジルのコレアドラゴ議長は閉幕会合で、策定の可能性を模索し続ける意向も示した。

 合意文書ではさらに、地球温暖化に伴う水害や猛暑などといった気象災害を抑えるため、途上国へのインフラ整備などの「適応」資金の支援を、2035年までに世界全体で3倍に増加させる努力目標も盛り込まれた。

 来年開催のCOP31は、トルコが議長国を務める。

 2025年11月23日(日)

2025/11/21

🟥インフルエンザが全国で警報レベル超え 子供の異常行動や脳症に注意を

 インフルエンザの患者数が、全国で「警報レベル」を超えた。インフルエンザは学校や保育園など集団生活の場で、感染が広がりやすい。子供はインフルエンザ脳症にも注意が必要だ。小児科医は、手洗いなどの感染対策に加え、早めのワクチン接種を呼び掛けている。

 インフルエンザにかかると、高齢者では肺炎などになって入院が必要になるケースが少なくない。子供も肺炎や中耳炎などで入院するケースがある。さらに子供に特有の重篤な合併症として知られているのが、インフルエンザ脳症だ。

 意識障害やけいれん、異常行動などが現れる。重症化すると死に至る場合もあり、知的障害や運動機能障害などの後遺症が残る場合もある。5歳未満に多いとされるが、学齢期での発症も報告されている。今季と同様に、秋からインフルエンザの感染が広がった2023年のシーズンには、189人のインフルエンザ脳症の患者報告があった。

 ワクチンで脳症を完全に防げるわけではないが、インフルエンザの発症や重症化を一定程度防ぐ効果が期待される。このため、脳症のリスクも軽減できると考えられている。

 日本小児科学会は10月、今季の「治療・予防指針」を発表。ワクチンには、インフルエンザの発症を予防する効果や、学校での欠席日数を減らす効果が報告され、インフルエンザによる入院を減らした報告もあるとし、ワクチンの接種を推奨している。

 小児科医で、日本ワクチン学会理事長を務める中野貴司・川崎医科大特任教授は、「感染者数が増えているので、なるべく早めにワクチン接種を検討してほしい。インフルエンザは患者数が著しく増え始めてから、1カ月以内にピークを迎えるというのが例年の傾向。遅くても年内には接種を済ませてほしい」と呼び掛ける。

 2025年11月21日(金)

2025/11/20

🟥エムポックス感染者を長野県内で初確認

 長野県は19日、中央アフリカや西アフリカを中心に広がる感染症「エムポックス(サル痘)」の感染者が県内で初めて確認されたと発表した。県は感染者の詳細を明らかにしていない。

 エムポックスは、水膨れを伴う発疹のほか、発熱、寒気、倦怠(けんたい)感、頭痛、筋肉痛といった症状が出る。患者が使った寝具や皮膚の病変、体液、血液に触れたり、飛沫(まつ)に長時間さらされたりすると感染する可能性があるといい、多くは発症後2〜4週間で回復する。

 県内の感染者は現在、回復傾向にあるという。県は「感染が疑われる場合は、最寄りの医療機関に相談してほしい」と呼び掛けている。

 2025年11月20日(木)

2025/11/19

🟥胃がん5年生存率6割 国立がん研究センター調査、今回から「純生存率」を採用

 国立がん研究センターは19日、2012〜2015年にがんと診断された患者5年後の生存率を発表した。肺がんは35・5%、胃がんは63・5%だった。がんの部位ごとに都道府県別の生存率を分析し、地域差を比べやすくなった。胃がんは宮城県での生存率が高く、愛知県が低いといった傾向がみられた。地域ごとのがん対策につながる可能性がある。

 国立がん研究センターがん対策研究所が報告書をまとめた。集計対象や生存率の計算方法を従来の調査から変更した。今回は44都道府県の254万7000件(前回は22府県の59万2000件)を調べた。計算方法はがんのみが死因となる状況を考慮する指標「純生存率」を採用し、がんの実態をより反映できるようにした。

 都道府県別では、例えば胃がんの5年後の生存率では宮城県は7割強と高かった。一方で愛知県の5年後生存率は6割弱と他の地域と比べて低かった。がん対策研究所の担当者は、「早期診断など、各地のがん対策が影響した可能性がある」と話す。

 がんの性質や対策はそれぞれのがんで異なる。部位ごとの生存率では、前立腺がん(生存率94・3%)や子宮がん(同75・9%)は、肝がんおよび肝内胆管がん(同33・7%)などと比べて生存率が高かった。

 今回の集計に併せて、過去約30年に及ぶ生存率の計算方法も変えた。2012〜2015年の生存率について1993〜1996年と比べると、上がっている部位と下がっている部位が存在した。例えば多発性骨髄腫では、男性は2012〜2015年が45・6%で21ポイント、女性も44%で15・5ポイント上がった。一方で、膀胱(ぼうこう)では男性は67・2%で10・6ポイント、女性も53・2%で5・9ポイント下がった。

 2025年11月19日(水)

🟥コンニャクイモから認知症サプリを開発 予防に期待、群馬大

 群馬大発のベンチャー企業「グッドアイ」と学内の研究チームが、群馬県が日本一の生産量を誇るコンニャクイモから、アルツハイマー型認知症の予防が期待されるサプリメントを開発した。廃棄される皮などから抽出した成分が、認知症の原因とされる物質を抑制するという。  グッドアイ社は、北海道...