2025/12/13

🟥iPS細胞「心筋球」を移植、心不全症状など改善 慶応大発ベンチャー

 iPS細胞からつくった心臓の筋肉の細胞を、重い心不全の患者に移植する治療について、慶応大発ベンチャー「ハートシード」(東京都港区)が12日、患者10人に行った治験(臨床試験)結果を公表した。多くの患者で心機能や症状の改善がみられた。安全性にも問題はなかったとして、同社は2026年中の製造販売承認の申請を目指す。

 同社が開発したのは、iPS細胞からつくった心筋細胞を塊にした「心筋球」。動脈硬化などで血管が狭くなり、心機能が低下した「虚血性心疾患」の患者に移植することで、細胞が成長し、心機能の改善につながると期待されている。

 治験では、移植する細胞数を5000万個とする「低用量」と、1億5000万個の「高用量」の二つのグループに分けて、心筋球を特殊な注射器具で機能が衰えた部分に注入。同時に血流を改善するための冠動脈バイパス手術も行った。

 低用量の5人について、移植前と移植1年後の状態を比べたところ、4人で心臓が血液を送り出す力などの心機能や自覚症状などの指標で改善がみられた。うち3人は、坂道や階段を上る時などにみられた息切れなどの症状がなくなった。6分間に歩ける距離が150メートルから500メートルに延びた人もいた。

 高用量の5人も、移植半年後の各指標をみると、心機能や自覚症状などの各指標で維持や改善の傾向がみられた。

 2025年12月13日(土)

2025/12/12

🟥政府、PFHxSの関連物質を禁止 製造や輸入、身体に影響恐れ

 政府は12日、有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」の一種である「(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)」の関連物質について、生物に蓄積し身体に影響を及ぼす恐れがあるとして第1種特定化学物質に指定する政令を閣議決定した。今後、製造や輸入などが原則禁止される。

 PFHxSは水や油をはじくPFOA(ピーフォア)やPFOS(ピーフォス)と同様の性質を持つ。毒性や蓄積性が確認され、2023年に第1種特定化学物質に指定された。関連物質についても、自然作用によりPFHxSに変わる可能性があり、有害化学物質を国際的に規制するストックホルム条約の廃絶対象となった。

 環境省によると、今回の規制はPFHxS関連物質が使われた海外製品が国内に入ることを防ぐことが狙い。

 2025年12月12日(金)

🟥インフルエンザ感染者2週連続減少、警報水準超えは続く

 全国のインフルエンザの感染者数は2週連続で減少したものの、依然として警報レベルを超える状況である。

 厚生労働省によると、12月1日から7日までの1週間に全国の定点医療機関から報告されたインフルエンザの感染者数は計14万8314人で、1医療機関当たり38・51人となった。

 前週の0・86倍で、2週連続で感染者数は減少したが、大きな流行の発生を示す「警報」レベルの基準30人を依然として超えている。

 都道府県別でみると、最も多かったのは、福岡県の65・56人で、その次に多かった宮崎県は62・54人で、どちらも前週より増加した。41府県で警報レベルを超えている。

 今年は昨年よりおよそ1カ月早く流行シーズンに入っていて、厚労省は、手洗いやマスク、換気など基本的な感染対策を呼び掛けている。

 2025年12月12日(金)

2025/12/11

🟥ジャングリア沖縄で販売の菓子「沖縄そばチップス」自主回収 アレルギー物質不記載

 沖縄県初の本格的なテーマパーク「ジャングリア沖縄」(同県今帰仁村など)を運営する「ジャパンエンターテイメント」(JE、同県名護市)は10日、園内の2店舗で販売した揚げ菓子の「沖縄そばチップス」を自主回収すると発表した。パッケージに記載のないアレルギー物質の大豆、乳成分が含まれていた。これまで9823個を販売したが、健康被害の申し出はないという。大豆、乳アレルギーがある人は食べないよう呼び掛けている。

 JEによると、価格は税込み1400円で、プレオープンの7月4日から12月9日まで販売していた。納品元のリウボウ商事(同県那覇市)が委託する検査機関との情報連携に欠落が生じ、アレルギー物質の情報を記載せずラベルを印字してしまったという。

 JEは「原因究明と再発防止に努める」としている。

 問い合わせはリウボウ商事第2事業部・電話098・869・4344。平日午前10時から午後5時まで受け付ける。

 2025年12月11日(木)

2025/12/10

🟥2025年の世界気温、観測史上2番目の暑さに ヨーロッパ気候監視機関

 ヨーロッパ気候監視機関「コペルニクス気候変動サービス」は9日、2025年が観測史上2番目に暑い年を記録する見通しだと発表した。

 コペルニクスのデータは、地球の気温が産業革命前の水準を1・5度上回る見通しであることを裏付けるもので、これは2015年のパリ協定で合意された閾値を超えることを意味する。

 月次報告によると、1~11月の平均気温は1・48度上昇し、「2023年と並んで記録上2番目に暖かい年」となった。

 コペルニクスで気候戦略を担当するサマンサ・バージェス氏は「2023~2025年の3年間平均は、初めて1・5度を超える見込みだ」と述べ、「これらの節目は抽象的なものではなく、気候変動の加速を示している。将来の気温上昇を抑える唯一の方法は、温室効果ガスの排出を迅速に削減することだ」と語った。

 先月は産業革命前の水準より1・54度高く、記録上3番目に暖かい11月となった。コペルニクスによると、平均地表気温は14・02度に達した。

 上昇幅は小さくみえるかもしれないが、こうした変化はすでに気候を不安定化させ、嵐や洪水などの災害をより激しく、頻繁にしていると科学者らは警告している。

 2025年12月10日(水)

2025/12/09

🟥「ミニピル」国内初販売、血栓リスク少ない避妊薬

 意図しない妊娠を避ける経口避妊薬で、従来の低用量ピルとは異なり、血栓リスクのある成分を含まない新しいタイプの薬を厚生労働省が国内で初めて承認し、今年6月から販売が始まった。女性医療の専門家は、「低用量ピルが使えなかった人も使用できる。女性主体の避妊の選択肢が増えた」と歓迎している。

 従来の経口避妊薬は、卵子の発育を抑制して不正出血を減らすエストロゲン(卵胞ホルモン)と排卵を抑制し精子の進入を妨げるプロゲスチン(黄体ホルモン)との2種類の女性ホルモンを配合した薬剤。避妊作用の主体はプロゲスチンで、血管内で血が固まる血栓症の原因となるエストロゲン成分の含有量を減らしてきた経緯から、低用量ピルと呼ばれてきた。

 それに対して、近年、プロゲスチンのみを含有する通称「ミニピル」が欧米などで開発され、国内での臨床試験を経て、厚労省が5月に製造販売を承認した。商品名はあすか製薬の「スリンダ錠」。

 低用量ピルは血栓リスクがあるため、重度の高血圧の女性や、35歳以上で1日15本以上の喫煙者、血栓症を発症したことのある人、前兆のある片頭痛のある人は利用できず、肥満や40歳以上の人にも処方が避けられていた。

 福島県立医大ふくしま子ども・女性医療支援センターの小川真里子特任教授(産婦人科)は、「日ごろの診療でも、ピルを処方したくてもできない例が4分の1ぐらいあった。今後は40歳以上の人や血栓リスクが心配な人でも使うことができる」と話す。ただし、いずれも使用可能な場合は「月経日の安定化や不正出血が少ないなどの点で、低用量ピルを薦める」としている。

 2025年12月9日(火)

2025/12/08

🟥高額療養費制度に年間上限額を検討 長期治療患者に配慮、「多数回該当」は負担据え置き

 「高額療養費制度」の見直しを巡り厚生労働省の専門委員会は、これまでの議論を整理し、70歳以上の通院にかかる自己負担を抑える「外来特例」については、負担上限額の見直しを検討すべきだとしている。

 一方、長期にわたって治療を続ける患者の負担を軽減する「多数回該当」の上限額は据え置くなどとしている。

 医療費が高額になった患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」を巡り厚生労働省は、2025年8月に予定していたひと月当たりの負担上限額の引き上げを見送るとともに専門委員会を設置して、見直しに向けた検討を進めている。

 専門委員会は8日にこれまでの議論を整理し、この中では「現行の所得区分は大くくりだと言わざるを得ない」として、能力に応じた自己負担を求める観点から、所得区分の細分化などが必要だとしている。

 そして、70歳以上の通院にかかる自己負担を抑える「外来特例」については、現役世代の保険料負担を軽減するため負担上限額の見直しを検討すべきだとした上で、対象年齢の引き上げも視野に入れるべきだとしている。

 一方、長期にわたって治療を続ける患者に配慮するため、直近12カ月の間に3回以上、制度を利用した場合に4回目以降の負担が軽減される「多数回該当」の上限額は据え置き、新たに年間の負担上限額を設けるとしている。

 厚労省は専門委員会の議論などを踏まえ、年内に見直しの方向性を示すことにしている。

 2025年12月8日(月)

🟥iPS細胞「心筋球」を移植、心不全症状など改善 慶応大発ベンチャー

 iPS細胞からつくった心臓の筋肉の細胞を、重い心不全の患者に移植する治療について、慶応大発ベンチャー「ハートシード」(東京都港区)が12日、患者10人に行った治験(臨床試験)結果を公表した。多くの患者で心機能や症状の改善がみられた。安全性にも問題はなかったとして、同社は202...