2025/11/19

🟥胃がん5年生存率6割 国立がん研究センター調査、今回から「純生存率」を採用

 国立がん研究センターは19日、2012〜2015年にがんと診断された患者5年後の生存率を発表した。肺がんは35・5%、胃がんは63・5%だった。がんの部位ごとに都道府県別の生存率を分析し、地域差を比べやすくなった。胃がんは宮城県での生存率が高く、愛知県が低いといった傾向がみられた。地域ごとのがん対策につながる可能性がある。

 国立がん研究センターがん対策研究所が報告書をまとめた。集計対象や生存率の計算方法を従来の調査から変更した。今回は44都道府県の254万7000件(前回は22府県の59万2000件)を調べた。計算方法はがんのみが死因となる状況を考慮する指標「純生存率」を採用し、がんの実態をより反映できるようにした。

 都道府県別では、例えば胃がんの5年後の生存率では宮城県は7割強と高かった。一方で愛知県の5年後生存率は6割弱と他の地域と比べて低かった。がん対策研究所の担当者は、「早期診断など、各地のがん対策が影響した可能性がある」と話す。

 がんの性質や対策はそれぞれのがんで異なる。部位ごとの生存率では、前立腺がん(生存率94・3%)や子宮がん(同75・9%)は、肝がんおよび肝内胆管がん(同33・7%)などと比べて生存率が高かった。

 今回の集計に併せて、過去約30年に及ぶ生存率の計算方法も変えた。2012〜2015年の生存率について1993〜1996年と比べると、上がっている部位と下がっている部位が存在した。例えば多発性骨髄腫では、男性は2012〜2015年が45・6%で21ポイント、女性も44%で15・5ポイント上がった。一方で、膀胱(ぼうこう)では男性は67・2%で10・6ポイント、女性も53・2%で5・9ポイント下がった。

 2025年11月19日(水)

2025/11/18

🟥マールブルグ病で3人死亡 エチオピア南部

 アフリカ東部エチオピアの保健当局は17日、同国南部でエボラ出血熱に似た症状のウイルス感染症「マールブルグ病」が発生し、3人が死亡したと発表した。ほかに感染が疑われる3人が死亡した。感染者数は明らかにしていない。感染者と接触した120人以上を経過観察中。世界保健機関(WHO)と協力し対策を進めている。

 マールブルグ病はコウモリからウイルスが人に感染するとされ、感染者の体液を介して別の人へと広がる。発熱や下痢、出血などが主な症状で、致死率が高い。

 アフリカでは2024年に中部ルワンダでマールブルグ病の感染が確認され、15人が死亡した。

 2025年11月18日(火)

2025/11/17

🟥従来の健康保険証、12月2日から使えず 来年3月までは暫定措置も

 マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行に伴い、従来の健康保険証は、来月・12月2日から使えなくなる。ただ、窓口での混乱を防ぐため、期限切れの保険証を持参した場合でも、資格情報が確認できれば、来年3月末までは保険診療を受けられるということである。

 政府は健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を基本とする仕組みへの移行を進めている。

 健康保険組合や「協会けんぽ」などに加入するおよそ7700万人の保険証は来月1日に有効期限が切れ、翌2日から使えなくなる。

 これにより、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者も含め「マイナ保険証」以外のすべての保険証が使えなくなる。

 厚生労働省は医療機関を受診する際に「マイナ保険証」か、その代わりとなる「資格確認書」を持参するよう呼び掛けている。

 ただ、窓口での混乱を防ぐため、期限切れの保険証を持参した場合でも、資格情報が確認できれば、来年3月末までは保険診療を受けられるということである。

 「マイナ保険証」の10月時点の利用率は37%余りで、厚労省は利用の促進に向け、丁寧に周知していきたいとしている。

 2025年11月17日(月)

2025/11/16

🟥エチオピアでマールブルグウイルス発生 アフリカCDC発表

 アフリカ疾病予防管理センター(アフリカCDC)は15日、エチオピア南部で致死性の高いマールブルグウイルスの発生を確認したと発表した。

 マールブルグウイルスは最も致死率の高い病原体の一つで、エボラ出血熱に似ており、激しい出血や高熱、嘔吐(おうと)、下痢などを引き起こすもので、潜伏期間は最大21日間とされる。感染経路もエボラと同様に体液との接触によるもので、致死率は25%から80%に及ぶ。

 世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は14日、エチオピア南部で少なくとも9件の感染が確認されたと述べていた。この2日前にアフリカCDCは、同地域で出血熱の疑いがあるとの通報を受けていた。

 アフリカCDCは、マールブルグウイルスが「エチオピアの国立基準検査所によって確認された」とし、「現在、さらなる疫学調査と検査分析が進められており、今回検出されたウイルス株は、これまで東アフリカで確認されたものと類似している」と述べた。

 エチオピアの保健当局は、南部ジンカ地域での感染確認と封じ込めに迅速に対応したとしている。

 マールブルグ病のウイルスに対しては、現在承認されたワクチンや抗ウイルス治療薬は存在しないが、経口または点滴による補液療法や症状に応じた治療により、生存率を高めることができる。

 今年1月にはタンザニアでマールブルグウイルスの流行が発生し、10人が死亡したが、同3月に終息が宣言された。

 2025年11月16日(日)

2025/11/15

🟥狂犬病ワクチン通年可能に 4~6月限定規則見直しへ

 犬の狂犬病ワクチンを巡り、厚生労働省の感染症部会は14日、接種期間を4〜6月の3カ月間としている現行の規則を見直し、通年接種を可能とする方針を了承した。国は狂犬病予防法施行規則を改正し、2026年4月に公布、翌2027年4月に施行される見通し。

 現行の施行規則では、生後91日以上の犬の所有者に対し、毎年1回、4月1日〜6月30日に予防注射を受けさせるよう義務付けている。自治体からは、飼い主の利便性向上や年度初めの業務が多い時期に重なるとして、見直しを求める提案が出ていた。

 厚労省が2024年に、都道府県と市区町村にアンケートをしたところ、約7割が通年接種に賛成だった。

 2025年11月15日(土)

2025/11/14

🟥東京都がインフルエンザの流行警報 11月は16年ぶり、学級閉鎖も相次ぐ

 東京都は13日、インフルエンザの流行警報を出した。直近1週間(3〜9日)に定点医療機関から報告があった患者数が警報基準を超えたためで、11月までに警報が出るのは2009年以来16年ぶり。6シーズンぶりに都内で警報が出た昨年と比べても6週早い。

 都によると、3~9日に定点医療機関から報告された患者数が、31保健所のうち12保健所(都内人口の46%)の管内で「1機関当たり30人」の警報レベルを超えており、都全体への警報基準に該当した。都内全体の患者数は1医療機関当たり29・03人まで増えている。

 今シーズンの幼稚園、小中高校などの学級閉鎖や臨時休校は1125件に上り、昨シーズン同時期の99件と比べて11倍超になっている。

 都は、こまめな手洗い・消毒やマスク着用といった対策のほか、感染が疑われる際は早めに医療機関を受診するよう呼び掛けている。

 2025年11月14日(金)

2025/11/13

🟥脱毛症など引き起こす遺伝子変異を発見 患者の症状改善に成功

 脱毛症や重いアトピー性皮膚炎などを引き起こす遺伝子変異を発見し、この遺伝子の働きを抑える薬を患者に投与して症状を改善することに成功したと、国立成育医療研究センターなどのグループが発表した。

 アレルギーの病気には生活環境だけでなく、遺伝的な要因が影響するものもあり、原因となる遺伝子を調べる研究が進められている。

 国立成育医療研究センターの森田英明研究部長らのグループは、脱毛症やアトピー性皮膚炎など重いアレルギーの症状があるものの、炎症を抑えるステロイド剤など一般的な治療で症状が改善しなかった男の子の患者について、原因を調べようと遺伝子を詳しく解析した。

 その結果、「JAK1(ジャック・ワン)」という遺伝子にこれまで知られていなかったわずかな変異が見付かり、細胞を使った実験でこの変異が炎症反応を引き起こしているとわかったということである。

 この遺伝子の働きを抑える薬はすでに実用化されていて、男の子に投与したところ、約5カ月後には脱毛症がほぼ治り、皮膚炎も改善したということである。

 森田研究部長は、「アレルギーの原因を調べる遺伝子検査は実用化されておらず、今回の患者のように対応する薬があっても治療に結び付かないケースは一定数あるとみられる。薬がない場合も開発につなげることができるので、遺伝子検査の実用化を目指すべきだ」と話していた。

 2025年11月13日(木)

🟥胃がん5年生存率6割 国立がん研究センター調査、今回から「純生存率」を採用

 国立がん研究センターは19日、2012〜2015年にがんと診断された患者5年後の生存率を発表した。肺がんは35・5%、胃がんは63・5%だった。がんの部位ごとに都道府県別の生存率を分析し、地域差を比べやすくなった。胃がんは宮城県での生存率が高く、愛知県が低いといった傾向がみら...