韓国の脱北者団体「自由北韓運動連合」は7日、新型コロナウイルスの感染が拡大した北朝鮮に向けて医薬品やマスクなどを大型風船で飛ばしたと明らかにしました。6月にも2回、大型風船で医薬品などを送っていますが、今回は風船に、脱北者団体が風船で飛ばした物に新型コロナウイルスが付着していて流入したとする北朝鮮側の主張に反発する垂れ幕を付けました。
自由北韓運動連合は6日に北朝鮮に近い京畿道(キョンギド)金浦(キンポ)から、解熱鎮痛剤7万錠とビタミンC3万錠、マスク2万枚を大型風船20個に付けて北朝鮮側に送ったとし、その様子を収めた写真を公開しました。
風船には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の写真の下に「中国から流入した悪性伝染病(新型コロナウイルス感染症)を広げ、対北ビラに(責任を)転嫁した偽善者、金正恩の詭弁(きべん)を糾弾する」と書いた大型の垂れ幕を取り付けました。
この団体は北朝鮮の体制を批判するビラを北朝鮮に向けて飛ばす活動を行ってきました。
北朝鮮メディアは7月1日、新型コロナウイルスが韓国と境界を接する北朝鮮南部の江原道(カンウォンド)金剛郡(クムガングン)伊布里(イポリ)で最初に発生したと発表。4月初めに軍人と子供のそれぞれ1人が近隣の山で「見慣れない物」に触ったためだと主張しました。「見慣れない物」が何かは説明しなかったものの、「風船に付いて飛んできた見慣れない物」を警戒するよう指示が出されたことから、脱北者団体が飛ばすビラや物品を指したものとみられます。
自由北韓運動連合の朴相学(パク・サンハク)代表は、「北の消息筋によると、北へのコロナ流入は中国で働いて戻った住民を通じたものだった」とし、それにもかかわらず北朝鮮が脱北者団体とビラに責任を転嫁していると批判し、「これに対抗するビラをまこうと考えだが、コロナで苦しむ北の住民を助けるため、代わりに医薬品を送った」と説明しました。
団体は今後も「風船飛ばし」を続けるとしています。
2022年7月7日(木)
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