2022/07/21

🇩🇪ムンプス(流行性耳下腺炎)

耳下腺が腫れる合併症の多い感染症

ムンプスとは、ムンプスウイルスによる急性ウイルス感染症。耳の前から下にかけての腫(は)れを特徴とします。

しっかり腫れると、おたふくのお面のように下膨れするので、おたふく風邪とも、流行性耳下腺(じかせん)炎とも呼ばれます。

感染者の唾液(だえき)から、飛沫(ひまつ)感染します。流行に周期性はなく、季節性も明確ではありませんが、春先から夏にかけて比較的多く発生します。かかりやすい年齢は1~9歳、とりわけ3~4歳。感染しても発病しない不顕性感染が、30~40パーセントの乳幼児、学童にみられます。

 耳の下の唾液腺の一種である耳下腺が腫れることで知られますが、ムンプスウイルスは、体中を回って、ほかのいくつかの臓器にも症状を起こします。

突然、37~38℃の発熱が1~2日続いた後に、耳の下に痛みを訴え、片側の耳下腺が腫れてきます。子供は口を開けたり、触ったりすると痛がります。発熱せず、最初から耳下腺が腫れてくるケースもあります。

一般的に、1~3日して、もう片方の耳下腺が腫れてきますが、4人に1人は片方の耳下腺しか腫れません。腫れは3日目ぐらいがもっともひどく、その後、徐々にひいて、5~7日で消えていきます。

発熱がある間は、水分を十分に与え、静かに過ごさせましょう。耳下腺の腫れたところは、冷湿布などで冷やして痛みを和らげます。食事は流動食、ないし軟らかい物とし、刺激物は避けましょう。特に酸っぱい物や香辛料は、耳下腺からの唾液の分泌を増加させ、痛みが強くなります。

一度下がった熱が再発し、腹痛、嘔吐(おうと)、頭痛、精巣の腫れなどを生じた場合、無菌性髄膜炎、膵(すい)炎、精巣炎などの合併症が起きた可能性がありますので、医療機関を受診しましょう。

ムンプスウイルスに効く薬はありませんが、精巣炎を起こしていれば副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬を使ったり、頭痛や耳下腺の痛みに対して鎮痛薬を使うことがあります。

 ムンプスは合併症の多い感染症ですから、全身状態がよくても安静、保温、栄養など、乳幼児、学童に対する基本的な看護が大切です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟩女性の過度なやせ願望に日本肥満学会が警鐘 「女性の低体重・低栄養症候群」を新たな症候群として位置付け

 女性のやせすぎや栄養不足は骨密度の低下や月経周期の異常などの健康障害を引き起こすとして、日本肥満学会が過度な「やせ願望」に警鐘を鳴らしました。  日本では、20歳代女性の5人に1人が肥満度を示すBMIが18・5未満の低体重(やせ)とされていて、先進国の中でも特に高い割合となっ...