2022/08/03

🇵🇹分裂膝蓋骨

正常では1つの骨である膝蓋骨が、先天的に2つ以上に分裂している状態

分裂膝蓋骨(しつがいこつ)とは、正常では1つの骨である膝蓋骨が先天的に2つ以上に分裂している状態。二分(にぶん)膝蓋骨とも呼ばれます。

膝(ひざ)の皿に相当する膝蓋骨は、下肢の中央、大腿(だいたい)骨の下端にあり、大腿四頭筋腱(けん)と膝蓋腱(膝蓋靭帯〔じんたい〕)により上下から支えられています。膝の屈伸運動、歩行に重要な働きを担っています。

分裂膝蓋骨は、通常1個の骨化核から生じる膝蓋骨の骨形成が先天的に妨げられて、癒合不全を生じ、2つ以上に分裂して生じると考えられています。

出生100人のうち約5人に生じ、9対1で男性に多く、両膝に分裂がある例は約40パーセントです。

分裂のタイプは数種類ありますが、大腿四頭筋の外側広筋が付着している膝蓋骨の外側上方に分裂がある型がほとんどを占めます。

膝蓋骨が2つ以上に分裂しているからといって、必ず痛みがあるわけではなく、ほとんどの場合は、痛みなどの症状を伴うことなく日常生活を送れます。

しかし、激しいスポーツ活動や、事故や転倒などで膝を床や地面に強くぶつけた打撲が切っ掛けで、膝蓋骨の分裂した部分に大きな負担が加わって炎症が発生し、膝蓋骨の上部などに痛みが現れることがあります。

激しいスポーツが切っ掛けとなる場合は、成長期に当たる10~17歳の男性に多くみられるのが特徴です。

痛みが発生しやすいスポーツとしては、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、短距離走などの陸上競技が挙げられ、これらの急激なダッシュや急停止など、特に太ももの筋肉である大腿四頭筋を酷使する運動では、膝蓋骨に付着している大腿四頭筋によって何度も繰り返し引っ張られて、膝蓋骨の分裂した部分に負荷が蓄積したり、異常可動性が生じたりした結果、痛みが起こります。

現れる症状は、ジャンプやランニング時の膝蓋骨の外側上方もしくは下端の痛みで、押すと痛む圧痛や、骨の隆起などもみられます。痛みや機能障害を伴う分裂膝蓋骨を、特に有痛性分裂膝蓋骨と呼びます。

スポーツ活動が思うようにできなくなったり、ひどい場合には、歩行時や階段昇降時に痛みを伴ったり、膝に水がたまって日常生活にも支障を来すこともあります。

分裂膝蓋骨の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査で、2個または2個以上に分裂した膝蓋骨を確認した場合に、分裂膝蓋骨と判断します。

有痛性分裂膝蓋骨では、触診で膝蓋骨の分裂部分に骨性の盛り上がりを感知することがあります。癒合不全により骨の位置のずれ(転位)がある場合は、異常可動性を感知することもあります。また、膝蓋骨の分裂部分に一致して、はっきりとした圧痛と叩打(こうだ)痛を認めます。

整形外科の医師による治療では、症状が軽度であれば、痛みが治まるまでスポーツ活動を中止して安静を保つことで、自然と痛みは治まります。

より積極的な治療では、炎症を抑え、膝への負担を軽減するための保存的療法が主となります。炎症を抑える目的では、消炎鎮痛剤入りのシップ薬や塗り薬による薬物療法、患部を温める温熱療法を行います。

痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤を内服したり、分裂部周囲にステロイド剤と局所麻酔剤を注射すると、痛みが軽快することがあります。

膝の負担を軽くするには、膝をテーピングやサポーターで固定する装具療法、大腿四頭筋をストレッチングしたり膝周辺の筋肉を鍛える運動療法が効果的です。

これらの治療法でも痛みなどの症状が改善されない時や、何度も再発を繰り返す時は、膝蓋骨の一部を摘出または縫合する手術を行います。

予防法としては、膝への負担を減らすことが第一です。スポーツ活動前後のウォームアップとクールダウンはしっかり行い、膝を急激に動かしたり、ジャンプ動作を繰り返したり、長時間のランニングを行うなど、膝を酷使する無理な運動は避けるようにします。

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...