2022/08/01

🇱🇻黄色腫症

皮膚などに黄色い盛り上がりや丘疹ができる状態

黄色腫(おうしょくしゅ)症とは、血漿(けっしょう)中のリポ蛋白(たんぱく)質という脂肪と蛋白質の結合物を取り込んで、脂肪分をためたマクロファージ由来の泡沫(ほうまつ)細胞が集合して、皮膚や腱(けん)などの組織に存在する状態。

黄色腫症を発症する原因は、家族性の高脂血症(高リポ蛋白血症、脂質異常症)や正脂血症(高脂血症のないもの)、肝臓、腎(じん)臓、膵(すい)臓などの疾患や糖尿病などに合併する二次性高脂血症です。

黄色腫が皮膚に存在する形態には、結節型、発疹(はっしん)型、偏平型、手掌線条(しゅしょうせんじょう)型があります。ほかにも眼瞼(がんけん)黄色腫症、腱黄色腫、二次性黄色腫症があります。

結節型黄色腫症では、皮膚から1センチ以上盛り上がった黄色から赤褐色の結節が生じます。高コレステロール血症に多くみられ、膝(ひざ)、肘(ひじ)、手指、足指の関節に生じます。

発疹型黄色腫症では、皮膚から1センチ以下の盛り上がった丘疹が多発します。高トリグリセリド血症(中性脂肪血症)に合併しやすいものです。

手掌線条型黄色腫症では、手のひらのしわに沿って黄色腫が生じます。高コレステロール血症に多くみられます。

眼瞼黄色腫症では、上まぶたの目頭に偏平に盛り上がる黄色の結節が生じます。黄色腫症で最も頻度が高く、3分の2は正脂血症に伴うものです。

腱黄色腫では、皮膚表面に近い腱の肥厚として触れ、アキレス腱、手指伸筋腱に好発します。

二次性黄色腫症では、四肢関節の背面に発疹が生じ、長期の高脂血症に合併します。

黄色腫症に気付いたら、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科、内科を受診します。

黄色腫症の検査と診断と治療

皮膚科、皮膚泌尿器科、内科の医師による診断では、組織検査で泡沫細胞の存在を証明します。高脂血症の検査で、高脂血症に伴うものかどうかを区別します。

偏平型黄色腫症では、骨髄腫(しゅ)の合併も調べます。眼瞼型黄色腫症では、動脈硬化性疾患の合併も調べます。正脂血症に伴う黄色腫症では、ランゲルハンス細胞組織球症、びまん性偏平黄色腫、若年性黄色肉芽腫と区別します。

皮膚科、皮膚泌尿器科、内科の医師による治療では、食餌(しょくじ)療法と薬物療法を行ないます。

食餌療法では、高脂血症のタイプに従って、欧米風の高カロリー食品やコレステロール値の高い食品、脂分の多いファーストフードの過剰な摂取を制限します。そして、野菜や果物、魚といった低カロリー食や低脂肪食、低炭水化物食を中心とした食生活に切り替えます。発疹型と手掌線条型は、食事療法で改善しやすいものです。

薬物治療では、抗高脂血症剤のプロブコールを使用して、黄色腫の退縮を図ります。眼瞼黄色腫症には、切除手術や、液体窒素による冷凍療法、レーザー治療を行ないます。

また、生活習慣の改善も、黄色腫症の予防法として効果的です。適切な体重の維持につながるばかりか、適度な運動を行なうことで基礎代謝の向上効果が期待できます。

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