女性内性器の入り口の左右にある、ひだの部分が1センチ以上出ている状態
小陰唇(しょういんしん)肥大とは、脚を閉じて直立した姿勢で、女性内性器の入り口の左右にある、ひだの部分が1センチ以上出ている状態。
女性器には、体内に隠れている内性器と、表に現れている外性器とがあります。内性器は、膣(ちつ)、子宮、卵管、卵巣からなります。外性器は、膣の入り口周囲に膣前庭があり、その外側に小陰唇、陰核、大陰唇、会陰があり、総称して外陰と呼ばれています。
小陰唇は、左右2枚の薄く扁平(へんぺい)な無毛の皮膚組織。役割は、内性器のふたといえるもので、細菌や外部の刺激などから膣や、膣前庭にある尿道口を保護することです。
小陰唇は、通常は閉じていて、膣口から外側までの幅は1~2センチ、長さは5~7センチです。しかし、大きさや形状には個人差があるため、自分の小陰唇はほかの人に比べて大きいのではないかと、悩む女性も少なくないようです。
小陰唇肥大に明確な定義はありませんが、確認するためには、鏡の前に脚を閉じた状態で直立し、小陰唇の状態を目視します。幅1センチ以上、ひだの部分が大陰唇からはみ出している状態の場合は、医学的に小陰唇肥大とされます。
日本人女性では、ひだの部分が少しはみ出しているくらいは普通の大きさとされていますが、左右両方または片方が大きくはみ出していたり、垂れ下がっていたりするような場合は、小陰唇肥大の可能性があります。
小陰唇肥大については、日常生活の中で以下のような支障があるかどうかも判断材料となります。
体に密着しているジーンズや下着を履くと違和感や痛みがある、自転車に乗ると擦れたり痛みがある、生理用ナプキンが擦れて痛い、座った時に違和感がある、尿の飛び方がおかしい、スポーツをしている時に外陰部に痛みを感じる、性交時に痛みを感じ苦痛である、臭(にお)いが気になる。
以上のようなに、小陰唇に痛みや違和感がある、恥垢(ちこう)がたまりやすく臭いが気になるなど日常生活に支障を来している場合は、小陰唇肥大の可能性があります。
小陰唇肥大やそれによる支障があまりに気になる場合は、形成外科、美容外科、ウイメンズクリニック、あるいは美容整形外科での小陰唇縮小手術も可能です。
小陰唇肥大の検査と診断と治療
形成外科、美容外科、ウイメンズクリニック、美容整形外科の医師による診断では、視診、触診で判断します。手術を行う場合は、7日前までに血液検査を行います。
形成外科、美容外科、ウイメンズクリニック、美容整形外科の医師による治療では、肥大した小陰唇を切除して縮小し、大きさと形を整えて縫い合わせる小陰唇縮小手術を行います。この手術によって、膣に悪い影響が出ることはありません。
手術では、最初に切除する皮膚に局所麻酔をするか、静脈麻酔と局所麻酔を併用し、大きすぎる部分を切除して、大陰唇と同じ高さか、ほんの少し見える程度にします。左右差がある場合は、なるべく同じになるように形を整えます。手術は、片方だけの場合30〜40分で終了します。
手術後は3、4日、はれやすい状態にあるので、長時間立っていたり、歩き回ったりしないほうが、はれが出にくく、はれが出ても早くひきます。
シャワーやウォシュレットは翌日から使用可能です。湯船につかるのは、手術後1週間目から可能になります。水分をふき取る際には、手術部を擦らないように軽くタオルで押さえるようにふきます。
手術した翌日から普通に職場に出勤したり、学校に登校したりできますが、自転車に乗るのは10日間くらい避けます。また、手術後1週間は、ジョギング、テニス、エアロビクス、スクワットなどの下半身を激しく使う運動は避けます。
縫合は自然に溶ける糸を使用するために、基本的には抜糸での再受診の必要はありませんが、糸の結び目部分などが長く残る場合がありますので、手術から1カ月程度を目安に再受診して、検診を受けます。この際に糸の残りがあれば、抜糸を行います。
1カ月目の検診で問題がなければ、性交渉が可能になります。
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