アメリカ・ニューヨーク市で、手足にまひが残ることもある病気、ポリオ(小児まひ)を引き起こすウイルスが下水から検出され、保健当局は感染が広がる恐れがあるとして警戒を強めています。
アメリカ・ニューヨーク市などの保健当局は12日、市内の下水のサンプルからポリオウイルスが検出されたと発表しました。
ポリオは、ウイルスが口から体内に入ることで主に乳幼児が感染し、発症すると手足にまひが残ることもある病気ですが、症状が出ないことも多く、保健当局は気付かない間に感染した人から排出されたウイルスが下水に流れ込んだ可能性があるとみています。
アメリカでは2013年を最後に、ポリオの感染者は確認されていませんでしたが、7月、ニューヨーク州ロックランド郡で1人の感染が確認され、保健当局が調査を進めていました。
ニューヨーク市のメアリー・バセット保健局長はポリオウイルス検出について、「憂慮すべき事態ではあるが、驚くことではない」との見方を示しました。
ポリオはワクチンで防ぐことができますが、ニューヨーク市の6カ月から5歳までの子供の14%は3回のワクチン接種を完了していません。
子供を対象としたワクチン接種会場が設置され、無料または低料金で接種を行っています。ニューヨーク州が検査やワクチン接種を支援し、アメリカ疾病対策センター(CDC)の専門家も協力しています。
世界保健機関(WHO)などによりますと、ポリオの流行は、ワクチン接種が進められたことなどから世界のほとんどの地域でみられなくなりましたが、6月にもイギリス・ロンドンの下水からウイルスが見付かり、ワクチン接種体制が強化されています。
2022年8月15日(月)
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