まつげの生え方が乱れて、その一部が角膜を刺激
睫毛乱生(しょうもうらんせい)症とは、まつげの生える方向が不規則な状態です。普通、まつげは全部規則正しく外側の方向に向かって生えています。
まつげが毛根から不規則に生えていますので、目の内側に向かったまつげが角膜(黒目)に触れることにより傷付け、涙がいつも出ている、何かが目に入っているような異物感がある、チクチクするような痛みがある、目やにが出る、まぶしさを感じる、目が充血するなどの症状がみられます。
角膜に当たるまつげの数は、1本のみの場合から多数の場合までいろいろです。長く続くと、角膜が濁ってしまい、視力が低下することもあります。
眼瞼縁(がんけんえん)炎(ただれ目)、結膜炎、トラコーマ、やけどなど、まつげの毛根部の炎症によって引き起こされる場合と、生まれ付きのものとがあります。
睫毛乱生症の検査と診断と治療
涙や目やにが多いなど同様の症状でも、眼瞼縁炎、結膜炎などの場合もあるので、早めに専門医を受診して、原因をはっきりさせることが大切です。
眼科外来での診察では、まぶたの形状、まつげが角膜に接触していること、角膜の傷の程度などを診断します。常時まつげが角膜に接触している場合のほかに、眼球運動やまばたきの強さ次第で、まつげが角膜に接触する場合があります。
睫毛乱生症の治療としては、まつげを抜くと一時的に症状は改善しますが、2週間ぐらいで再び生えてくるので、定期的に抜いていく必要があります。抜く本数が少なくても、繰り返せば炎症を引き起こしたり、さらに太いまつげが生えてくる場合もあります。
きっちり治すには手術が必要で、少数の乱生の場合はまつげの毛根を電気の針で焼く睫毛電気分解や冷凍凝固、多数の乱生の場合はまぶたを外側に向かせる手術などが行われます。簡単には治らない場合もあります。
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