2022/08/10

🇱🇷脳性巨人症

遺伝子の機能異常により、大頭、過成長、特徴的な顔付き、発達の遅れなどを示す症候群

脳性巨人症とは、さまざまな身体的異常を引き起こす先天異常症候群。ソトス症候群とも呼ばれます。

1964年に、ソトスらが最初の症例を報告しました。日本では、新生児の14000人に1人程度の罹患(りかん)率と見なされていますが、軽度の症状の場合は見過ごされている可能性があり、実際には5000人に1人に近い罹患率と考えられています。

常染色体優性遺伝性疾患であり、5番染色体にあるNSD1遺伝子の異常によって起こります。

症状には幅があり、幼少期から小児期にかけての大頭症、過成長、骨年齢の促進、特徴的な顔付き、精神発達遅滞などを示します。

出生時から身長が大きく、体重もあり、手足も大きく、骨の成熟も促進しています。顔付きも特徴的で、額の大きな大頭で、下顎(したあご)の突出、口の中の上部がへこんでいる状態の高口蓋(こうこうがい)、眼瞼(がんけん)裂斜下、両眼隔離が見られ、全身の筋肉の緊張が低下して全身の筋肉の力が弱くなっています。身長や頭囲の過成長は、乳幼児期から学童期まで続きます。

また、けいれん、心疾患、腎(じん)疾患、尿路異常、外反偏平足、脊椎(せきつい)側湾、てんかん発作などを合併することもあります。

脳性巨人症の検査と診断と治療

小児科、ないし遺伝子診療科の医師による診断では、大頭症、過成長、骨年齢の促進、特徴的な外見を認め、原因遺伝子のNSD1遺伝子などに点変異を認めるか、NSD1を含む5番染色体長腕に欠失を認める場合に、脳性巨人症と確定します。

遺伝子の変異や染色体の欠失を認めない場合は、大頭症、過成長、特徴的な外見、精神発達遅滞のすべてを満たす場合に、脳性巨人症と確定します。

小児科、ないし遺伝子診療科の医師による治療では、現在のところ根治療法はないため、対症療法として、てんかん、腎疾患に対しては必要に応じて薬物療法、心疾患に対しては必要に応じて手術や薬物療法、精神発達遅滞に対しては療育的支援を行います。

主に、心疾患、腎疾患、難治性てんかんが生命予後に影響を与えます。

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