けがや手術により目にできた傷口から直接、細菌や真菌が侵入して起こる目の感染症
外因性眼内炎とは、けがや手術などにより目にできた傷口から直接、細菌や真菌(カビなど)、原生動物が侵入して起こる目の感染症。健常な人や目の手術を受けたことがない人に発症することは、ほとんどありません。
一方、体のほかの部分に感染していた細菌や真菌、原生動物が血流に乗って、目に侵入して起こる目の感染症は、内因性眼内炎です。
外因性眼内炎の症状としては、 ひどい目の痛み、明るい光の非常なまぶしさ、充血、目やに、急な視力低下、視力の部分的な欠損があり、視力の完全な欠損によって失明を起こすこともあります。
目の手術による外因性眼内炎のほとんどは、術後2日から3日ほどで発症します。原因となる微生物によっては、術後半年から1年以上経過してから発症する場合もあります。
症状が出たら、早めに眼科を受診します。細菌によるものは数時間から数日の単位で、真菌によるものは数日から数週間の単位で進行し、重症になった場合は、最大限の治療を施しても目を救えないこともあります。
外因性眼内炎の検査と診断と治療
眼科の医師による診断では、目のけががある場合や、眼科の外科手術を受けた経験がある場合は、そこから目に原因となる微生物が入った可能性が強いとして、外因性眼内炎と判断します。
確定するためには、目の表面を拡大して見る細隙灯(さいげきとう)顕微鏡を用いて眼球を丹念に調べます。続いて、分泌液の培養検査を行います。場合によっては、抗体検査やDNA検査も行います。
分泌液の培養検査では、眼球内の前方にある液体である房水や、眼球後部の内部にあるゼリー状の組織である硝子体(しょうしたい)から採取し、感染の原因微生物を早急に特定するとともに、どの薬剤が最も有効かを調べます。
眼科の医師による治療では通常、視力を守るために、抗菌剤または抗真菌剤による治療を直ちに開始します。極端な場合、数時間の遅れが、回復不可能な視力の低下につながることがあります。
眼内炎の原因であると判明した微生物に応じて、抗菌剤の選択を調整することがあります。抗菌剤や抗真菌剤は、眼内注射、あるいは静脈内注射、または経口で投与します。
抗菌剤や抗真菌剤を眼内に注射した後、数日間にわたって痛みを和らげるコルチコステロイド剤を経口で投与することもあります。感染を食い止める確率を上げるため、眼球内部の感染組織を取り除く手術を行うこともあります。
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