2022/08/18

🇲🇬白板症

舌や口腔粘膜の上皮が白濁、角化する疾患

白板(はくばん)症とは、舌や口腔(こうくう)粘膜の表面が白く濁り、触れると硬い疾患。口腔白板症とも、ロイコプラキーとも呼びます。

この粘膜上皮が白濁、角化する状態は、いろいろな原因で起こります。継続的に作用する物理的、化学的な刺激で起こるもの、粘膜苔癬(たいせん)など慢性の炎症があって起こるもの、カンジダがついて起こるもののほかに、がん前駆症としての白板症もあります。原因不明なものも少なくありません。従って、白板症のすべてが悪性というわけではありません。

継続的に作用する物理的、化学的な刺激としては、たばこ、アルコール飲料、刺激性食品、過度なブラッシングによる擦過、虫歯、不適合な補綴(ほてつ)物と充填(じゅうてん)物である金冠や金属の詰め物、入れ歯などが挙げられます。

この白板症は、女性の2倍と男性に多くみられ、年齢では50歳〜70歳代に多くみられます。好発部位は舌で、次いで歯肉、ほお、口蓋(こうがい)、口腔底などが続きます。

症状としては、舌や口腔粘膜の一部がさまざまな程度の白色になり、徐々に表面にしわができます。白色の程度も高度になり、いぼ状に隆起してくるものもあります。また、隆起はしないで、赤い部分が混在してくるものもあります。白斑(はくはん)のみでは痛むことはありませんが、紅斑が混在するものでは痛みを伴うようになります。

長期に経過すると、白板症からがんが発生することもあります。ある確率で、がんに発展するような皮膚の異常をがん前駆症といいますが、がん前駆症としての白板症は、舌の側面に最も起こりやすく、不規則な形をしています。その一部が崩れて、腫瘍(しゅよう)やびらんができたり、割れ目を生じたり、隆起してくる場合には、注意が必要です。口腔扁平(へんぺい)上皮がんに進展する確率が高く、すでにがんを発生している場合があります。

白板症の検査と診断と治療

口の中に、白色あるいは白色と赤色の混在する病変を見付けた場合、あるいは長い間続いていた口の中の異常が急に変化して、びらん、潰瘍(かいよう)を生じたり、大きさが増したりした場合には、すぐに皮膚科、口腔外科の専門医の診断を受けます。

白板症の診断のためには、実際の病変の一部を切り取って、顕微鏡で組織検査をする生検を行います。広範囲に病変が存在する場合は、複数の部位より切り取ります。白板症の病理組織像は多彩で、種々な程度の角化の高進、有棘(ゆうきょく)層の肥厚、上皮下への炎症性細胞浸潤、上皮の種々の程度の異形成などが認められます。特に、がん化との関連性においては、上皮異形成の程度は重要になります。

治療としては、まず刺激源になっているものがあれば、除去します。次に、ビタミンAを投与し、反応するか否かを観察します。ビタミンAによる薬物治療に反応せず、生検で上皮異形成と診断される病変があれば、病変の粘膜を手術で切除します。広範囲の病変では、切除すると機能障害が出ます。

なお、白板症のすべてが悪性というわけではなく、良性の変化にとどまることも多く、必ず治療しなければならないというものではありません。また、白板症から口腔扁平上皮がんに進展しても、経過観察を定期的に行えば、極めて早期に対処することも可能です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

🟪新型コロナ、沖縄県が独自で注意喚起へ 流行時に「拡大準備情報」を発出 

 沖縄県は19日、新型コロナウイルス感染症の流行が疑われる場合、県独自で「新型コロナ感染拡大準備情報」を発出すると発表しました。新型コロナについては、過去の感染データの蓄積が乏しいことなどから、国がインフルエンザのような注意報や警報の発令基準を設けていない一方、重症化する高齢者...