入った異物が膀胱炎の原因になることも
膀胱(ぼうこう)異物とは、何らかの原因で膀胱内に異物が入ったもの。いたずらや自慰行為の際、尿道内に挿入した物が膀胱内に入り込んで、出せなくなってしまうケースがよくみられます。
これには体温計、ろうそく、鉛筆、細いビニール管、針金、チューインガム、ヘアピン、乾電池などがみられます。そのほか、魚の骨が腸を突き抜けて膀胱に入る場合や、手術時に使用した糸などが膀胱内に残る場合もあります。尿道カテーテル留置中に、膀胱内でカテーテルが損傷した場合などにも膀胱異物となります。
症状として、頻尿、排尿時疼痛(とうつう)、血尿が出現し、残尿感、下腹部痛、血尿などを伴うことがあります。膀胱内に異物がある場合には、細菌などの病原体がつきやすいため、抗菌薬を投与しても完治しにくいことが多く、慢性膀胱炎の原因になります。また、膀胱異物には結石の基となる結晶が付着しやすいことから、異物を核とした膀胱結石ができることもあります。
膀胱異物の検査と診断と治療
頻尿、排尿時疼痛、尿混濁、血尿、残尿感、下腹部違和感などの膀胱炎の症状が続く場合には、泌尿器科の専門医に相談して、これまでの泌尿器などの疾患の有無や生活習慣などをきちんと話します。また、異物を尿道内に挿入することは避けなければなりません。
病歴上、膀胱異物の診断が明らかな場合もありますが、X線や超音波検査、膀胱鏡検査などにより、膀胱内の異物を確認します。
可能であれば膀胱鏡で除去しますが、異物の大きさや形状によっては非常に困難な場合もあります。放置すれば膀胱炎、膀胱結石、膀胱穿孔(せんこう)などの可能性があり、膀胱鏡で除去できない場合には開腹手術を行うこともあります。
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