野菜や果物を多くとる人は、少ない人に比べて亡くなるリスクが10%近く低くなるとする、大規模調査に基づく研究結果を、横浜市立大学などの研究チームがまとめました。
横浜市立大学や国立がん研究センターなどの研究チームは、岩手県や東京都、新潟県、大阪府、沖縄県など全国11の都府県に住む40歳代から60歳代までのおよそ9万5000人をおよそ20年にわたって追跡し、野菜と果物の摂取と死亡リスクの関係を調べました。
この間、およそ2万4000人が死亡しましたが、男女を合わせた死亡のリスクは、果物の摂取が多い人たちでは最も少ない人たちに比べて8%から9%、また、野菜の摂取が多いと7%から8%低くなっていました。
ただ、果物の摂取が多い人たちでは、心臓や血管の病気で死亡するリスクがおよそ9%低かったのに対し、がんや呼吸器の病気での死亡と摂取に関連はみられなかったということです。
さらに、分析すると、野菜は1日300グラム以上、果物は140グラム以上とることが望ましいと推定されたとしています。
野菜と果物はビタミン、ミネラル、食物繊維、カロテノイド、ポリフェノールなどが豊富であり、主に欧米人で行われた研究では、摂取量が多いと全死因による死亡や循環器疾患による死亡のリスクが低いことが報告されていますが、研究チームは日本人で解析できたのは初めてだとしています。
横浜市立大学の後藤温教授は、「何となく言われてきた野菜、果物が健康によいということについて、科学的な評価ができた。量が多ければ多いほどリスクが下がるものではなく、適度な量を食べることを心掛けてもらいたい」と話しています。
2022年9月11日(日)
0 件のコメント:
コメントを投稿