アメリカの製薬大手ファイザーとドイツの製薬企業ビオンテックは26日、アメリカ食品医薬品局(FDA)に、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の派生型に対応した追加接種用ワクチンについて、5~11歳向け製品の緊急使用許可を申請しました。冬の流行期前のタイミングでの提供を目指しており、早ければ10月にも、子供への接種が始まる見通しです。
このワクチンは、従来型と「BA・5」などオミクロン型派生型の双方に対応する「2価ワクチン」。アメリカでは12歳以上向けの使用が承認されています。5~11歳向けの用量は10マイクログラム(マイクログラムは100万分の1グラム)で、12歳以上向けの3分の1に相当します。
アメリカのモデルナも23日、6~11歳と12~17歳向けの2種類の用量で、オミクロン型対応2価ワクチンの緊急使用承認をアメリカ当局に申請したと発表しました。モデルナ製のオミクロン型への対応製品は、アメリカで18歳以上の使用が承認されています。
アメリカ疾病対策センター(CDC)は今月、10月半ばまでに子供向けのオミクロン型への対応ワクチンの提供を始められるとの見通しを明らかにしていました。ファイザーとモデルナは、6カ月以上の乳幼児向けにもオミクロン型対応ワクチンの開発を進めています。
CDCの発表によると、アメリカの新規感染者数(7日移動平均)は22日の時点で5万3000人程度となっています。直近の感染者増加ピークは7月で、その後減少傾向となっていました。ただ、アメリカ国内ではマスク着用義務など感染対策が大幅に緩和され、警戒が緩んでいることから、冬に向けて感染者の増加を懸念する声もあります。
CDCによると、アメリカでこれまでに1回でも追加接種を受けた人は、対象となる5歳以上の人口の35%となっています。提供開始から約3週間の時点でのオミクロン型対応ワクチンの接種者は、接種対象の約2%に当たる440万人でした。
2022年9月27日(火)
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