中国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、各地で新型コロナウイルス対策のため厳しい行動制限が続いています。中国メディアによると、33都市で計6500万人超(3日時点)が制限の対象となっています。全住民PCR検査のシステム障害で大行列も発生し、市民の不満が高まっています。
中国共産党の幹部人事を決める党大会を10月に控え、習近平(シー・ジンピン)指導部は「ゼロコロナ」政策を徹底する方針です。
国家衛生健康委員会によると、中国本土の感染者数(入国者を除いた市中ベース、無症状含む)は現在、毎日1200人台~1900人台で推移しています。
中国では変異型のオミクロン型の流行によって今年3月以降、感染が急増。4月に1日当たり2万人台に達したものの、上海市の都市封鎖などで抑え込み、6月下旬に数十人に減りました。だがその後、オミクロン型の新たな派生型で感染力がより強いとされる「BA・5」がまん延し、再び増加に転じました。
内陸部の大都市、四川省成都市では1日から約2100万人の住民全員を自宅待機としました。期限は示していません。1日夜からスーパーや薬局などを除く商業施設は営業停止になり、各世帯1人が1日1回だけ生活物資を買いに出られます。
成都市では全住民対象のPCR検査も始まったものの、2日にシステム障害が発生。多くの市民が雨の中で長時間待たされました。インターネット上では「5時間並んだ」「検査のせいで風邪をひく」などといった声が続出し、市当局は陳謝しました。
南部の広東省深圳市は、移動や飲食店利用などを制限する対象地域を順次拡大しています。世界有数の電気街「華強北」では、電子部品の卸売業が集積する商業ビルが営業を一時的に停止しました。深圳市と同じ広東省にある広州市は深圳から広州へ移動した人について3日間、外出を避けて自宅にとどまるよう指示しました。
東北部の遼寧省大連市も8月30日から9月3日に、日本企業などのオフィスが集積する主要地域で事実上の都市封鎖(ロックダウン)を実施。直近5日間で約230人の感染者が確認されました。
1家庭につき1人に1日1回、買い物だけの外出を許可し、地下鉄やバスの運行も停止しました。感染者や濃厚接触者の出たマンションが相次ぎ封鎖されました。企業は原則的に在宅勤務となり、学校や幼稚園も通学禁止となりました。
大連市と同じ遼寧省にある瀋陽市は8月30日から9月5日に約910万人の全市民にPCR検査を実施します。
2022年9月4日(日)
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