気象庁は25日、南極上空でオゾンの量が極端に少なくなる現象「オゾンホール」の今年の最大面積が、10月5日に観測された2640万平方キロメートルだったと発表しました。約1400万平方キロメートルある南極大陸の面積の約1・9倍に相当し、過去10年のうちで2番目に大きくなりました。観測史上では10番目の大きさです。
気象庁によると、オゾン量が減少すると太陽から地上に到達する有害紫外線が増え、人の健康や生態系に悪影響を及ぼします。ただ、長期的にみればオゾンホールは2000年以降、縮小傾向が続いています。
オゾンホールは毎年、南半球の冬から春に相当する8月から9月に発生して急速に発達した後、11月から12月に消滅します。今年のオゾンホールは8月中旬までに現れた後、急速に発達して、特に9月中旬以降は最近10年間の平均値よりも大きな面積で推移し、10月5日には2640万平方キロメートルの最大面積にまで拡大したということです。
南極上空のマイナス78℃以下になる低温域が広い状態で継続し、オゾン層の破壊を促す特殊な雲が例年より発達したのが要因といいます。
気象庁は例年、アメリカ航空宇宙局(NASA)提供の衛星観測データからオゾンホールを解析しているほか、南極地域観測隊とともにオゾンホールの状況などを現地で観測していて、現在も5人が昭和基地に出向いています。
気象庁は「オゾン層を破壊するフロンなどの物質の濃度は緩やかに減少傾向にあるものの、依然として高い状態にある」としています。
2022年11月26日(土)
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