新型コロナウイルス対策として行われてきたマスクの着用について、着用義務が解除されたアメリカの学校で、子供や教職員での感染が大きく増えたとする研究結果をハーバード大学のグループがまとめました。マスクの着用には感染者数を抑え、子供たちの欠席日数を減らす効果があるとしています。
この研究はハーバード大学などのグループが行い、国際的な医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。
グループはアメリカ東部のボストン周辺で、今年2月に学校でのマスクの着用義務を解除した70の地区と、1教室当たりの子供の人数が多い傾向があり着用義務を解除しなかった2つの地区の、子供と教職員合わせて約34万人について感染の状況を比較しました。
その結果、着用義務を解除した地区では、約3カ月半の間に感染した子供や教職員は1000人当たり134・4人に上りましたが、着用を続けた地区では66・1人でした。
研究グループは統計的に分析すると、着用義務の解除によって感染者数が1000人当たり44・9人、合わせて1万1900人余り増えたと推定していて、これは感染した子供や教職員の約3割に上るとしています。
研究グループはマスクの着用で子供たちの学習や発達が妨げられる明確な証拠はなく、感染者数を抑え欠席日数を減らす効果があり、感染拡大の際には有効な手段だとしています。
2022年11月11日(金)
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