大阪公立大(旧大阪市立大)医学部付属病院は29日、2019年12月に手術を受けた男性(当時79)が鎮静剤の投与後に一時心肺停止となり、現在も意識不明の状態が続いていると発表しました。医師や看護師の投与後の引き継ぎや経過観察が不十分だったことが原因といいます。男性の家族から指摘を受けて公表しました。
病院によると、男性は2019年12月に全身麻酔で骨折した腕の手術を受けました。手術後に興奮状態となったため鎮静剤を投与された後、心肺が停止。蘇生(そせい)したものの低酸素脳症となり、現在も意識が戻っていません。
心肺停止は鎮静剤の影響により、舌が気道をふさいだためとみられます。その後も医師や看護師が男性を医療機器に接続せず、呼吸や脈拍を確認していなかったため、心肺停止に気付くことが遅れたといいます。
病院は当時の内部規定で、重篤な医療過誤は報道機関を通じて公表しなければならなかったものの、昨年8月にホームページ(HP)へ掲載するのみでした。
発表会見に出席した中村博亮(ひろあき)院長は、「自己を隠蔽する意図はなく、HPでの公表で十分だと誤解した。親族の心情に沿った対応ができず反省している」と謝罪しました。
2022年11月30日(水)
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