世界保健機関(WHO)は28日、今年に入ってヨーロッパやアメリカを中心に流行している「サル痘(monkey pox)」について、新たな名称として「mpox(エム痘)」を使うと発表しました。今回の流行の際、人種差別的な表現が使われたことや、動物福祉などの観点から、新たな名称を公募していました。
サル痘は、1958年にポリオワクチン製造のために世界各地から霊長類が集められたデンマークの実験施設で、サルに天然痘のような症状が出たことを切っ掛けに、その名前が付けられました。ただ、自然界では、サルではなくアフリカに生息する齧歯(げっし)類が宿主と考えられていることから、誤解を招く恐れがありました。
WHOは、今後1年間は両方の名前を同時に使用するものの、「monkey pox」という用語は段階的に減らすといいます。WHOは2015年、偏見を避けるため動物や国・地域などの固有名詞を病名に付さないという指針を出しています。
WHOによると、今年1月から11月26日までに、世界の感染者数は8万1000人を超え、55人が亡くなっています。死者はナイジェリアなどアフリカを中心に多く、アフリカ以外でもスペインやブラジルで確認され、アメリカでも免疫機能が低下していた1人が死亡したと発表されました。日本では今年7月以降、7人の患者が確認されています。
2022年11月28日(月)
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