ニュージーランド議会は13日、2009年以降に生まれた人への紙巻きたばこの販売を恒久的に禁止する法案を賛成多数で可決しました。国家レベルでのたばこ販売禁止は世界初とみられます。
2009年以降に生まれた人への紙巻きたばこ販売を禁止することで喫煙を難しくし、漸進的に国内の喫煙人口が減少していくことを狙います。
販売される紙巻きたばこに含まれるニコチン量を減らすほか、現在国内に6000店あるたばこを販売する小売店も2023年末までに600店以下に減らします。一方、加熱式たばこや電子たばこは一定の規制の下で当面は容認します。
法案は総督の署名を経て成立し、2023年から施行する見通し。現在の子供は、従来は喫煙が可能だった18歳になってもたばこが吸えなくなります。2009年以降に生まれた人に紙巻きたばこを販売した場合には、最大で15万ニュージーランドドル(約1300万円)の罰金を科します。また、公共の場所で紙巻きたばこを譲り渡した場合にも、最大5万ニュージーランドドルの罰金となります。
ニュージーランド政府は2025年までに国内を「スモークフリー(無煙)」にする行動計画を策定するなど、喫煙人口削減に取り組んでいます。2021~2022年に日常的に喫煙する人は成人の8%と1年前から1・4ポイント減少し、16・4%だった10年前から半減しています。
一方、たばこ業界は法案に懸念を表明しています。イギリスのブリティッシュ・アメリカン・タバコのニュージーランド法人の広報担当者は、「たばこの供給が違法市場に移行する危険性がある」と指摘しました。
マレーシアでも前政権下で、2007年以降に生まれた人へのたばこ販売などを禁止する法案が議会に提出されました。ただ、個人の権利を不当に侵害しているとの指摘もあり、国営ベルナマ通信などによると、同国の保健相が導入手法などについて再検討が必要だとの見方を示しました。
2022年12月14日(水)
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