新型コロナウイルスのオミクロン型に対応した新ワクチンの接種率が、開始から24日までの3カ月余りで全人口の32・5%、重症化リスクの高い高齢者でも54・3%と伸び悩んでいます。年末年始の感染拡大を防ぐため、政府は年内に希望者への接種完了を目指していましたが、専門家からは接種率に「不十分だ」との声も上がっています。
終わりのないワクチン接種に対する「接種疲れ」や、副作用への懸念、有効性を示すデータが当初少なかったことなどが、低迷の原因とみられます。
新ワクチンはオミクロン型に対して従来ワクチンを上回る効果が期待され、政府は流行「第8波」に備えた対策の柱として、9月20日に接種を始めました。
当初は、以前に流行したオミクロン型の「BA・1」に対応した製品しかなかったことなどから接種控えが起きました。「BA・5」に対応した製品が投入された10月には1日当たりの接種回数が増加し、11月下旬には100万回を達成しました。
ただ政府が12月23日に公表したデータによると、接種率は32・5%にとどまり、3回目の接種率67・5%の半分以下となっています。年代別では、19日時点で20歳代が14・7%、12~19歳が16・4%、30歳代が18・1%と若い世代で低いのが目立ちます。
感染者数は10月中旬から増加傾向を示し、12月21日には約4カ月ぶりに新規報告数が20万人に達しました。病床使用率も上昇傾向を示し、内閣官房の23日発表のデータでは31都府県で医療の逼迫の目安となる「50%以上」となりました。うち滋賀県と神奈川県では80%を超えました。
政府は年明け以降も新ワクチンの接種を継続する方針。特に死亡リスクの高い高齢者の接種率向上を図る考えです。
2022年12月25日(日)
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