ドイツ政府報道官は21日、アメリカの製薬大手ファイザーとドイツの製薬企業ビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチンを中国に輸送したと明らかにしました。中国が外国の新型コロナワクチンを受け入れるのは初めてです。
ドイツのオラフ・ショルツ首相が11月の訪中で習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した際に合意しました。中国在住のドイツ人向けといいます。ドイツ政府報道官は定例記者会見で、「ドイツ人以外の外国人も接種できるよう働き掛けている」と説明しました。
中国各地で感染が急拡大する中、アメリカ国務省のネッド・プライス報道官も20日の定例記者会見で、「中国が感染拡大を抑え込むことは国際社会の景気回復にとっても重要だ」と述べ、アメリカのワクチンを提供する考えを示しました。
これに対し、中国外務省の毛寧(マオニン)副報道局長は21日の定例記者会見で、「ワクチンの追加接種は順調に進んでおり、薬や検査試薬は(国民の)需要を満たすことができる」と強調して、「中国人が力を合わせて協力し、団結して対応する」と発言、アメリカ側のワクチン提供の申し出を事実上拒みました。
新型コロナの世界的流行後、習近平指導部は「ワクチン外交」を展開し中国製のワクチンを東南アジアや南アメリカなどに提供してきました。安全保障や経済を巡り対立を深めるアメリカのワクチンの受け入れに消極的になっているとみられます。
中国官製メディアはこれまでアメリカの新型コロナ感染者や死者数を大きく伝え、共産党の統治の優位性を誇示してきました。
2022年12月23日(金)
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