1日から2日まで台湾に到着した中国発の航空便4便の搭乗客の27・8%が新型コロナウイルス感染者と確認されたと台湾紙「聯合報(れんごうほう)」が3日に報道しました。
台湾の防疫当局である中央感染症指揮センターの指針に基づき桃園国際空港到着直後にPCR検査を受けた524人のうち146人が陽性と確認されました。台湾大学公共衛生学院の陳秀熙教授は、「データは予想範囲内にある。今後中国発の陽性者の割合は最大35%に達するだろう」と予想しています。
最近イタリアが中国発の入国者を空港で全数調査した結果、陽性者の割合が38~52%に達したのと比較すると、明らかに低い数値だと聯合報は指摘しました。
中央感染症指揮センターの荘人祥報道官は、「初日の検査データは単に参考用であり各国の検疫政策が異なり入国者の形態も違い比較するのは難しい」と話しました。荘報道官はまた、「台湾はまだ観光客に入国を開放しておらずほとんどが台湾僑胞(台湾系華僑)や企業家であるのに対し、日本とイタリアは大陸からの観光客が中心と母数自体が違い、台湾の空港のPCR陽性率が低いのは予想に合致している」と説明しました。
これに対し中国発の感染者が台湾に新たな新型コロナウイルス流行を呼び起こしかねないとの懸念も出てきました。台湾感染症医学会の黄立民名誉理事長は、「陽性率27・8%は4人に1人が陽性の格好。彼らが台湾入境後に台湾人と接触すれば衝撃を呼び起こす恐れがある」と話し、台湾紙「中国時報」が3日1面トップ記事で報道しました。黄理事長は、「新たな感染ピークが差し迫っている。高齢者や慢性疾患者が中国から帰ってきた台湾僑民と会えばとても危険なので春節前に「BA・5」ウイルスに効果がある次世代ワクチンを急いで接種することを建議する」と話しました。
中国人に対するPCR検査が重要だという意見も提起されました。台湾大学の陳秀喜教授は、「中国発の入国者に対し多くの国がPCR検査をする理由は、新型コロナウイルスの遮断ではなく新たな変異型をモニタリングすること」と強調しました。陳教授は、「世界保健機関(WHO)は万一、春節後に各国で変異型が見付からなければ、新型コロナウイルスを国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)から解除しなければならない」と付け加えました。
中央感染症指揮センターによれば、現在中国で流行しているのはオミクロン型の変異型「BA・5・2」と「BF・7」。人の移動により、さらに変異する恐れがあるとしており、台湾国内の感染状況に影響を与えないよう、同センターは海外からの入国者に対する変異型の監視体制を強化し続ける方針。
2023年1月3日(火)
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