開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、製薬大手の第一三共は厚生労働省に対して、承認を求める申請を行いました。アメリカのファイザーやモデルナと同じタイプの「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」で、国内の製薬会社でこのタイプのワクチンの承認申請は初めてです。
第一三共は、開発を進めてきた新型コロナのmRNAワクチンについて13日、厚生労働省に製造販売承認の申請を行ったと発表しました。
このワクチンは人工的に作った遺伝物質mRNAを投与することで、体内でウイルスが細胞に感染する時の足掛かりとなるスパイクたんぱく質の一部が作られるようにして、免疫の反応を引き起こす仕組みです。
当初に広がった従来型の新型コロナウイルスに対応した成分が含まれていて、18歳以上を対象に、3回目の接種としての使用を想定しているということです。
18歳以上の約5000人を対象に3回目の接種を想定して行った最終段階の臨床試験(治験)では、ファイザーやモデルナのワクチンと同じ程度の有効性を確認でき、安全性も問題なかったとしています。
国内の製薬会社が開発を進めてきた新型コロナワクチンの承認申請は、塩野義製薬の「組み換えたんぱく質ワクチン」に続いて2例目です。
第一三共は、「オミクロン型に対応したワクチンの開発も引き続き進める。国産ワクチンを迅速に提供し、社会の安心、安全や人々の健康を守ることに貢献したい」とコメントしています。
第一三共は2023年中の実用化を目指しています。海外への承認申請は未定といいます。
2023年1月13日(金)
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