2023/03/28

🟩新潟県や静岡県のコウモリのふんから新型コロナ近縁のウイルス 人には感染せず

 国内のコウモリのふんから新型コロナウイルスに比較的近い遺伝子を持ったウイルスが見付かったと、東京大学の研究チームが学術誌に発表しました。

 幸い、人に直接、感染する可能性は低いということですが、継続的な調査が必要になりそうです。

 新型コロナウイルスに近いウイルスが見付かったのは、日本各地の洞窟や廃坑などにすむ食虫性の「コキクガシラコウモリ」。

 東京大学大学院獣医学専攻の村上晋准教授(ウイルス学)らの研究チームが新潟、千葉、静岡、岩手各県で、このコウモリのふんを採取して調べたところ、2019年以降に世界的パンデミックを起こしている新型コロナと近縁に当たるウイルスがそれぞれ見付かりました。

 見付かったウイルス同士の遺伝情報(ゲノム)配列の一致率は95~97%で、新型コロナとの一致率は約80%。今回のウイルスは新型コロナと同じ系統に含まれるものの、直接の祖先になり得るほど近縁なわけではないといいます。

 その上で研究チームは、今回見付かったウイルスが人に感染する可能性があるのかを、新型コロナが人の細胞に感染する際の足場となるたんぱく質「AEC2」を発現させた培養細胞で調べたところ、ウイルスは増殖ができなかったといいます。このため、このウイルスが私たちに直接感染する可能性は「非常に低い」と考えられるとしています。

 新型コロナウイルスについてはこれまで中国のコウモリなどから95%以上遺伝子が一致するウイルスが見付かっていますが、研究チームによりますと、国内で見付かった中では最も近い種類とみられるということです。

 村上准教授は、「コロナウイルスの中で危険なものはごく一部だと考えられるが、国内にも人に感染する種類が存在する可能性は否定できない。野生動物を調査して実態を速やかに把握する必要がある」と話しています。

 2023年3月28日(火)

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