富山大学は、手足が震えたり体が動かなくなったりする難病「パーキンソン病」の発症メカニズムを発見したと発表し、今後、新たな治療法につながることが期待されます。
この研究は、富山大学学術研究部薬学・和漢系の酒井秀紀教授や藤井拓人助教などで作るチームが行いました。
パーキンソン病は、手足が震えたり体が動かなくなったりする難病で、脳の一部に「αシヌクレイン」というタンパク質がたまることが原因とされています。
この原因を解明するためチームでは、脳の神経細胞の中にある「PARK9」という別のタンパク質に着目し、その機能を分析した結果、パーキンソン病の原因となる「αシヌクレイン」の分解を進める役割を果たしていました。
さらに、薬剤を使って「PARK9」の働きを阻害する実験を行ったところ、「αシヌクレイン」が通常の4倍以上蓄積したということです。
このため「PARK9」の機能の異常がパーキンソン病の発症につながることがわかったとしています。
従来のパーキンソン病の治療には、症状を緩和したり悪化を遅らせたりするものがありますが、根本的な治療法はなく、藤井助教は「この発症メカニズムに着目することで、根本的な治療につながる新薬の開発もできるのではないかと期待している」としています。
チームの成果は、20日付でイギリスの科学誌に発表されました。
2023年4月25日(火)
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