2025/06/13

🟩長崎県で30歳代妊婦が鳥から感染する「オウム病」で死亡か 飼育歴なく感染経路不明

 長崎県内で昨年亡くなった30歳代の妊婦が、鳥のふんなどに含まれる細菌に感染して引き起こされる「オウム病」で亡くなった疑いがあると、長崎県が発表しました。県は鳥との過度な接触を避けるなど、感染予防を呼び掛けています。

 長崎県によりますと、昨年1月、県内の医療機関を受診した30歳代の妊婦が発熱や呼吸困難、意識障害などの症状が出た後、亡くなりました

 医療機関が調べたところ、今月5日、妊婦の検体から「オウム病クラミジア」という細菌の遺伝子が検出され、妊婦が「オウム病」で亡くなった疑いがあることがわかったということです

 長崎県内で「オウム病」の患者が確認されたのは、2017年以来です。

 厚生労働省や長崎県によりますと「オウム病」はオウム病クラミジアという細菌が引き起こし、発熱やせき、全身のけん怠感などインフルエンザのような症状が出る病気で、特に妊婦は重症化する傾向にあり、呼吸困難や意識障害となって死亡する場合もあります

 オウムやインコ、ハトなどのふんに含まれた細菌を吸い込んだり、餌を口移しで与えたりすることで人に感染しますが、人から人への感染は確認されていないということです

 長崎県によりますと、亡くなった妊婦は鳥を飼っておらず、感染経路はわかっていないということです

 県は、鳥との過度な接触を避け、飼育する場合はケージ内の羽やふんをこまめに掃除し、鳥の世話をした後は手洗いやうがいをするなど感染予防を呼び掛けています。

 人獣共通感染症に詳しい岐阜大学の福士秀人名誉教授は、「オウム病という名前がついているが、どの種類の鳥でも原因となる病原体を持っている。病原体が鳥のふんに含まれていて感染の原因になる。空気中に舞い上がった病原体を吸い込んで呼吸器に感染する」と話していました

 その上で「妊婦は重症になる可能性が高いと思われる。また、高齢者など免疫が弱っている人も重症化しやすい」としています

 また、「巣の近くにいる時などに知らない間に感染してしまうこともあり、野外で感染する可能性があることを覚えていてほしい。野外での感染を防ぐ方法はあまりない。重症化すると死亡する可能性もあるが、抗生物質を飲めば治療できるので、高熱が出た時などにはオウム病の可能性も疑って治療してもらってほしい」と話していました。

 2025年6月13日(金)

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