製薬大手ノバルティスファーマは26日、目の遺伝性難病の治療薬「ルクスターナ」について、厚生労働省から製造販売の承認を受けたと発表しました。先駆けて承認されたアメリカでの価格は両目で85万ドル(約1億2000万円)で、日本でも高額となることが見込まれます。
目の病気の遺伝子治療薬が承認されたのは、国内初となります。対象は、難病「遺伝性網膜ジストロフィー」のうち、「RPE65」という遺伝子に異常がある患者。網膜の光を感じ取る機能が低下し、半数以上は10歳代後半までに失明に至るものの、これまで有力な治療法がありませんでした。
治療では、両目の網膜下に薬を1回ずつ注射し、正常な遺伝子を細胞に送り込みます。投与対象は、網膜に光を感じ取る細胞が残っていることが条件で、同社は5年間で15人程度を見込みます。
薬の公定価格(薬価)は今後、中央社会保険医療協議会(中医協)で審議されます。これまでの国内最高額は、全身の筋力が低下する難病「脊髄性筋委縮症」(SMA)の遺伝子治療薬で、2020年に承認されたノバルティスファーマの「ゾルゲンスマ」の1億6707万円となっています。
2023年6月28日(水)
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