地球温暖化がこのまま進むと、北極海の氷が早くて2030年代の夏の時期に溶けてなくなる可能性があることが最新の研究でわかり、研究チームは「人間社会や生態系にも大きな影響を与える」として警鐘を鳴らしています。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新予測では、北極海の夏の海氷は2050年までになくなる可能性が高いとされていましたが、今回の分析は早期に消失する恐れを指摘しました。
この研究は、韓国・浦項工科大学などの国際研究チームが6日、科学雑誌の「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表しました。
研究チームは、北極海の氷が人間の活動によってどのような影響を受けるのか調べようと、1979年から2019年までのおよそ40年間に観測されたデータを用いてシミュレーションを行いました。
北極海の氷は季節によって変動し、例年、夏の時期に最も少なくなりますが、シミュレーションの結果、早ければ2030年代の9月には溶けてなくなる可能性があることがわかりました。
氷はいったんなくなっても、冬の時期になれば、またできるということですが、一時的にでも氷がなくなる事態が起きれば、温暖化がさらに加速することも指摘されています。
さらにシミュレーションでは、氷の量が人間の活動で排出される温室効果ガスによって大きな影響を受けていることも確認されたということです。
北極海の氷は2000年以降、特に大きく減少していて、研究チームは「北極海の氷がなくなれば、人間社会や生態系にも大きな影響を与える」として警鐘を鳴らしています。
2023年6月8日(木)
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