アメリカ国内で今年の秋以降、使用する新型コロナウイルスのワクチンについて、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、現在、流行の主流となっているオミクロン型派生型「XBB・1・5」に対応する「1価ワクチン」の開発を製薬各社に推奨しました。
アメリカでは、新型コロナの感染状況の変化に伴い、ワクチンの成分をどのようにするか、FDAの専門家会議などで議論が重ねられてきました。
FDAは16日、アメリカ国内でこの秋以降、使用する新型コロナのワクチンとして、オミクロン型派生型「XBB・1・5」に対応する「1価ワクチン」の開発を製薬各社に推奨したことを発表しました。
「XBB・1・5」は複数のオミクロン型が組み合わさり、免疫から逃れやすい性質が指摘されており、6月10日現在、アメリカ国内の新規感染者の中で最も多く、約4割を占めると推定されていますが、検出割合は減少傾向。同じ系統の「XBB・1・16」など別タイプが増えつつあり、秋までに取って代わる可能性もあります。ただウイルスの形の違いはわずかで、接種の効果はほぼ同じと見込んでいます。9月中に出荷をほぼ終える必要があり、製造スケジュールも考慮して推奨を急ぎました。
複数の製薬会社はすでにオミクロン型派生型「XBB」系統に対応する成分のワクチンの開発を進めており、今回のFDAの推奨は、開発中のワクチンの有効性に関するデータや、製薬各社が供給できる時期の情報などをもとに行ったとしています。
FDAの推奨を受け、製薬各社は今後、ワクチンの開発をさらに加速させるものとみられます。
日本の厚生労働省も、国内で主流となっている同じ「XBB」系統に対応した製品を導入する方針で、接種対象者は追って決めます。ヨーロッパ医薬品庁(EMA)は、高齢や持病などの重症化要因がある人や妊婦を優先するほか、医療関係者への接種も考慮すべきだとの考え方を示しています。
2023年6月18日(日)
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