新型コロナワクチンの子供への接種について、日本小児科学会は対策が緩和されて多くの子供が感染することが予想されるなどとして、引き続き「すべての小児に接種を推奨する」という考え方を示しました。重症化を防ぐ手段としてワクチン接種は重要だとしています。
日本小児科学会は、新型コロナの感染症法上の位置付けが5月8日に5類に移行したことや、世界保健機関(WHO)が今年3月「生後6カ月から17歳の健康な小児へのワクチン接種は優先順位が低く、国ごとの状況を踏まえて検討すべきだ」としたことを受け、接種の意義について改めて検討しました。
今回、学会がまとめた考え方によりますと、WHOは子供に対する接種は有効かつ安全としているほか、複数の研究報告で、発症予防や重症化予防の効果が確認されているなどとしています。
その一方、国内では未感染の子供が多いとみられ、感染すると、まれに急性脳症や心筋炎を発症し、後遺症が残ったり死亡したりするケースもあるとしています。
その上で、学会は対策の緩和で多くの子供が感染することが予想され、接種は重症化を防ぐ手段として重要だとして、引き続き「生後6カ月から17歳のすべての小児に接種を推奨する」としました。
学会の理事で新潟大学の齋藤昭彦教授は、「感染すると持病がなくても重症化する可能性はある。健康な子供たちもワクチンを接種し重症化を防ぐ対策をすることが重要だ」と話しています。
2023年6月19日(月)
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