海のプラスチックごみは、これまで科学者が考えていたよりも少ない可能性があるとの研究結果が7日、イギリスの科学誌「ネイチャージオサイエンス」に掲載されました。
研究では、1980~2020年までに記録された海面や浜辺、深海の観測データと数値を基に作られた海の3Dモデルを使用。この結果、海面に浮いているプラスチックの95%を25ミリ以上の大きさのものが占めると推定されました。
海中のプラスチック片は小さいものが大半なものの、5ミリ以下のマイクロプラスチックは比較的少ないといいます。
海面に浮かぶプラスチックごみは、マイクロプラスチックよりも大きいものが多いということは、海中のプラスチックごみの総量はこれまで考えられていたよりも「はるかに少ない」ことを示唆しています。
これまでは、海中のプラスチックごみは2500万トン以上で、うち25万トンが海面に浮かんでいると推定されてきました。しかし今回の論文は、海面に浮かぶプラスチックごみの量はそれを大幅に上回る約300万トンだとしています。
さらに、毎年海に流入するプラスチックごみの量も、これまで考えられていたよりも400万~1200万トン少なく、約50万トンであることもわかりました。プラスチックごみの多くは、沿岸部での活動や漁業から出ているといいます。
国連環境計画(UNEP)によると、プラスチックごみによって毎年、海鳥100万羽と海獣10万頭が死んでいます。
2023年8月9日(水)
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