アルツハイマー病の原因物質に直接働き掛ける新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」が正式に承認されたことを受けて、中央社会保険医療協議会(中医協)は、12月下旬までに公的医療保険を適用することを目指し、価格の算定を進める方針を確認しました。
日本の製薬大手「エーザイ」がアメリカの「バイオジェン」と共同で開発した、認知症の原因の1つアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」について、中医協は27日の総会で、保険適用と価格の算定を巡る議論を始めました。
アメリカでは年間の価格が1人当たりの平均で約390万円に設定されていて、厚生労働省は、患者の数などによっては、年間の市場規模が1500億円を超える可能性があるなどと説明しました。
これに対して委員からは、薬の効果への期待が大きいとして、安全性を担保した上で保険の適用を求める意見が出された一方、「保険財政への負担が極めて大きいため、対象となる患者や、投与の期間などを適切にすべきだ」といった意見も出されました。
そして、25日の正式承認から90日となる12月24日までに保険適用にすることを目指し、価格の算定を進めていく方針を確認しました。
アルツハイマー病の新たな治療薬を巡っては、このほか、アメリカの製薬大手「イーライリリー」が26日、開発中のアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」について、日本国内での承認を求める申請を行ったことを明らかにしています。
2023年9月28日(木)
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