12年前、小学6年生の女の子が心臓発作で死亡した事故を切っ掛けに自動体外式除細動器(AED)の普及を進めているさいたま市は、すべての市立中学校58校の校門にAEDを新たに設置することになりました。
30日はさいたま市北区の日進中学校で市内の中学校に設置されるAEDの贈呈式が行われ、市内の酒造会社から清水勇人市長にAEDが手渡されました。
30日は市立日進小6年だった12年前に駅伝選考会中に心臓発作で倒れて亡くなった桐田明日香さんの命日で、明日香さんが通うはずだった私立日進中学校で行われた贈呈式には母親の寿子さんも出席しました。
この事故を切っ掛けにさいたま市は学校の校内へのAEDの普及を進めてきましたが、30日に寄贈されたAEDはすべての市立中学校の校門に設置する予定です。
学校の屋外に屋外型収納ボックスに無施錠で入れたAEDを設置しておくことで、地域の人が夜間や休日も使えるようになるため24時間救命措置が可能になるということです。
収納ボックスを開けると、本体の遠隔監視システムが作動し、位置情報などがさいたま市教育委員会に伝わるため故障や盗難などへの対応も可能。今後は詳細な利用マニュアルを定めるとしています。
AEDを寄贈した西区の「小山本家酒造」の小山景市会長は、「地域に貢献したい思いで寄贈しました。同じような事故が起きないようにしてほしい」と話していました。
明日香さんの母親の寿子さんは、「長年の願いだった24時間、誰もが使えるAEDの設置が決まり非常にうれしく思います。こうした取り組みを全国に広げてもらいたいです」と話しています。
2023年9月30日(土)
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