重い肝臓病の赤ちゃんに、体のさまざまな細胞になれるES細胞(胚性幹細胞)から作った肝細胞を移植する国立成育医療研究センターの臨床試験(治験)で、安全性と効果が確認できたとして、企業を通じて本年度中に再生医療等製品として国に承認申請することが23日、明らかになりました。
承認されれば来年度中にも実用化の可能性があり、国内初となります。ES細胞を用いた治療は、海外では目の病気や脊髄損傷などを対象に治験が進んでいるものの、実用化の報告はまだありません。
生まれ付き有毒なアンモニアが分解できずにたまる「尿素サイクル異常症」の赤ちゃんが対象。8000~4万4000人に1人の割合で発症します。
不妊治療で余った受精卵から作製したES細胞を肝細胞に成長させ、へその緒から患者の肝臓内の血管に注入し、アンモニアの分解を助けます。
ES細胞は、受精後6、7日目の胚盤胞から細胞を取り出し、それを培養することによって作製されます。ES細胞は、さまざまな細胞に分化しあらゆる組織や臓器になることができるというメリットがあります。また、ES細胞は無限に近い形で増殖させることが可能です。
2023年10月23日(月)
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