東京電力は、福島第一原子力発電所で、汚染水の処理設備を洗浄していた作業員5人に誤って放射性物質を含む廃液がかかるトラブルがあったと発表しました。いずれも防護服などを着用していましたが、このうち2人は除染をしても放射線量が基準を下回らなかったことから、福島県立医科大学に搬送して引き続き除染を続けています。
東京電力によりますと、25日午前10時半すぎ、協力会社の20~40歳代の男性作業員5人が汚染水の処理設備で、配管の内部を洗浄していたところ放射性物質を含む廃液をタンクに流すためのホースが外れ、約100ミリリットルの廃液が周囲に飛び散りました。
この際、作業員に廃液がかかりましたが、いずれも防護服と全面マスクを着用していて、放射性物質を体の中に取り込むことはなかったということです。
ただ、このうち4人は廃液が皮膚まで届き、東京電力は水で洗い流す対応を取ったということですが、20歳と40歳代の男性作業員2人は9時間近くがたっても、放射線量の値が一定のレベルを下回らなかったため、福島県立医科大学に入院して除染を続けているということです。
東京電力によりますと、医師の診断の結果、放射線による急性の障害はみられていないということで、詳しい被ばく線量などを確認しているということです。入院期間は不明ですが、2週間は経過観察する見通し。
東京電力によりますと、20歳代男性の外部被ばく線量はベータ線で6・6ミリシーベルト。線量計に設定していた5ミリシーベルトを上回り、現場でアラームが鳴りました。40歳代男性の被ばくは1・6ミリシーベルトでした。ガンマ線による2人の被ばくは最大0・11ミリシーベルトで、25日の作業で想定していた最大量0・6ミリシーベルトを下回りました。
2023年10月26日(木)
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