近年事故が増えている自転車について、警察庁は、信号無視など悪質な違反をした16歳以上を対象に「青切符(交通反則切符)」を導入する方針を固めました。2024年の法改正を目指します。
警察庁の有識者検討会が取りまとめた中間報告書によると、自転車の違反についても刑事責任が問われる「赤切符(交通切符)」だけではなく、自動車や電動キックボードのように、反則金の支払いを求めるいわゆる「青切符」を適用します。
対象年齢は16歳以上となり、これまでも違反が目立った信号無視、一時不停止、遮断踏切への立ち入り、歩道通行などのほか、新たに携帯電話の使用が対象となり、反則金は5000円から1万2000円程度となる見込みです。
ただ、携帯電話の使用で事故につながる危険な行為は、酒酔いや酒気帯び運転と同じ「赤切符」の対象となります。
一方、取り締まりについては、これまで通り、原則、指導や警告を前提としていて、通勤通学の多い時間帯や利用者が多い重点地区を中心に行われます。
また、車道を走る自転車を保護する目的で、十分な距離がない場合には、自動車には安全な速度で走行すること、自転車にはできる限り端に寄ることを義務付ける規制も設けられます。
警察庁によると、2022年は国内で自転車関連の交通事故が6万9985件発生しました。全交通事故に占める割合は23・3%となり上昇傾向にあります。また、自転車が絡む死亡重傷事故では、7割以上で自転車側にも違反があります
こうした悪質な自転車に対して、全国の警察は取り締まりを強化し、昨年は2万4549件が摘発され、10年前から3倍以上となりました。
警察庁は、来年1月の最終報告書を踏まえ、道交法の改正案を通常国会に提出する方針で、改正から2年以内に施行される見通し。
2023年12月21日(木)
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