世界で今年、化石燃料の利用で排出される二酸化炭素の量は昨年に比べ1・1%増え、過去最大になる見通しだと、各国の研究機関で作るグループが発表しました。現在の水準の排出が続けば、7年後には50%の確率で世界の平均気温の上昇が1・5度を超えるとしています。
日本など世界各国の90を超える研究機関などで作るグループ「グローバル・カーボン・プロジェクト」は5日、アラブ首長国連邦(UAE)で開かれている気候変動対策の国連の会議、COP28で報告書を発表しました。
この中で、今年、石炭や石油、天然ガスの化石燃料を燃やして排出される世界の二酸化炭素の量は368億トンで、昨年に比べ1・1%増え、過去最大の排出量になる見通しだと発表しました。世界の二酸化炭素排出総量は409億トンと、過去最大だった昨年から横ばいにとどまるとみられます。森林伐採など土地使用に由来する排出量がやや減ったことが影響しました。
このうち、燃料別の排出量では石炭が全体の41%を占めて最も多く、昨年に比べ1・1%増えるとしています。
また、主要な国では、ヨーロッパ連合(EU)や、アメリカが昨年に比べ減少した一方、インドは8・2%、中国は4%増加すると見込んでいます。インドは電力需要が同国の再生可能エネルギー供給能力よりも急速に伸び、化石燃料で不足分を穴埋めしているためです。中国の排出量増加はゼロコロナ政策解除後の経済活動再開が原因です。
その上で、現在の水準の排出が続けば、7年後の2030年には、50%の確率で、産業革命前からの世界の平均気温の上昇が1・5度を超えると指摘しました。
2023年12月6日(水)
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