2023/12/14

🟧COP28閉幕、焦点の化石燃料「脱却を進める」で合意

 アラブ首長国連邦(UAE)で開かれていた第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)は13日、閉幕し、焦点となっていた化石燃料について「脱却を進める」ことで合意しました。化石燃料を巡る今後の各国の政策が問われることになります。

 11月30日に開幕したCOP28では、初日に、気候変動による被害「損失と損害」に特化する新たな基金の運用に向けた具体的なルールが決まったほか、世界全体の気候変動対策の進捗を評価する「グローバル・ストックテイク」が初めて行われました。

 対策強化に向けた交渉では、化石燃料が最大の焦点となり、欧米の先進国や島しょ国などが「段階的な廃止」を強く求めたのに対し、産油国などが反対し、協議が難航していました。

 会期を1日延長して、各国が13日に採択した合意文書では「段階的な廃止」には言及せず「化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で行動を加速させる」としています。

 化石燃料を巡っては2021年の会議で排出削減対策がとられていない石炭火力発電所の段階的な削減で合意していましたが、今回の会議では、石炭を始め石油や天然ガスといったすべての化石燃料を対象に脱却を進めていくことになりました。

 国連の気候変動枠組み条約のサイモン・スティル事務局長は記者会見で「化石燃料の時代に終止符を打つことはできなかったが、合意は化石燃料の終わりの始まりになる」と述べて成果を強調しました。

 一方で、南米コロンビアのスサナ・ムハマッド環境・持続可能開発相は、「私たちは前進したが、結果を台なしにする落とし穴がいくつもある」と指摘し、脱却を進めるためには石炭などに依存する途上国への支援が欠かせないとしています。

 各国は今回の合意文書を受けて、遅くとも2025年までに新たな削減目標を提出することになっており、今後の政策が問われることになります。

 まず、産業革命前からの世界の平均気温の上昇を1・5度に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を2019年と比べ、2030年までに43%、2035年までに60%、削減する必要があるとしています。

 その上で温室効果ガスの排出につながる石炭や石油、天然ガスといった化石燃料について「化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で行動を加速させる」としています。

 また、2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの発電容量を3倍にし、エネルギー効率の改善率を世界平均で2倍にすることや、排出削減対策がとられていない石炭火力発電の段階的な削減に向けた努力を加速することでも合意しました。

 さらに、効率的でない化石燃料に対する補助金について、段階的な廃止をできるだけ早く行うとしています。

 このほか気候変動による被害「損失と損害」に特化する新たな基金については、特にぜい弱な途上国を対象にするなど運用に向けた具体的なルールで合意しました。

 基金にはこれまでに合わせて7億9200万ドル、日本円にして1150億円余りの拠出が表明されたとしています。

 一方で、先進国が途上国の温暖化対策を支援するため約束した年間1000億ドルの資金支援が2021年の時点で達成されていないとして深い懸念を示し、先進国に対し目標達成に向けた努力を一層強化するよう求めています。

 2023年12月14日(木)

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