市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)が原因と疑われる救急搬送が、今年6月までの半年で5600件余りに上ったことが、消防庁と厚生労働省の調査でわかりました。
風邪薬などの市販薬を巡っては、決められた量や回数を超えて使用するオーバードーズが問題となっていて、若者が救急搬送されるケースが相次いでいます。
消防庁と厚労省が、全国の都道府県や政令指定都市などの52の消防本部を通して、今年6月までの3年半、救急搬送された人のうち救急活動記録にオーバードーズが疑われる記載がある事例を集計しました。
その結果、2020年が9595件、2021年が1万16件、2022年が1万682件でした。
また、今年は1月から6月までの半年間で5625件で、このうち、女性が全体の73%の4132件、男性が全体の27%の1493件と、10歳代以上のすべての年代で女性が男性より多くなりました。
また、年代別では、20歳代が1742人と最も多く、次いで30歳代が891人、10歳代が846人で、若い世代を中心に搬送が相次いでいました。
麻薬に似た成分を含む市販薬を大量に摂取すると、幻覚やけいれんなどを引き起こす恐れがあります。厚労省は、乱用の恐れがある医薬品について、検討会で20歳未満に大容量の製品や2箱以上の販売を禁止する販売制度の案をまとめて法改正を目指しているほか、薬局やドラッグストアに適正な販売を周知するよう都道府県に通知を出し、乱用をやめられないと悩む人には相談窓口を活用するよう呼び掛けています。
2023年12月25日(月)
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