2023/12/10

🟧製薬会社の「要注意工場」、国と自治体が抜き打ち検査へ 監視体制を強化

 後発薬メーカーなどによる相次ぐ品質不正問題を受け、厚生労働省は、製薬会社の製造拠点のうち、品質管理に問題を抱えている可能性が高い「要注意工場」を選び出し、重点的な検査に乗り出します。2023年度中に導入する方針で、国と都道府県が連携して抜き打ちで実施します。従来の検査では長年にわたり品質不正を見逃していたケースがあったため、監視体制を強化します。

 厚労省によると、要注意工場は、製造する医薬品の品目数の多さ、製造工程の複雑さ、過去の調査で問題が見付かったことがあるか、品質管理に懸念を生じさせる情報の有無、などから抽出します。特殊な製造技術の使用、生産能力と比べ従業員数が少ない、不正が発覚した場合の影響の大きさなども考慮します。

 あらかじめ重点的に調べる項目を整理し、検査の実効性を高めます。要注意工場としてどこに検査に入ったかは公表しません。

 製薬会社の工場は今年7月時点で、国内に133カ所あり、都道府県や国は医薬品医療機器法(薬機法)に基づき、1~3年ごとに、定期的な立ち入り検査を実施しています。製薬会社へ事前に通告しない抜き打ち検査も行っています。

 しかし、後発薬メーカーなどでは2020年以降、不祥事が相次ぎ、業務停止などで薬の供給不足を招くとともに、製造現場のずさんな実態が明らかになっています。

 長年にわたり発覚を免れる悪質なケースも起きています。爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤が混入していた小林化工(福井県あわら市)では、虚偽の製造記録を記した帳簿(二重帳簿)を作成していたため、福井県は不正を見抜けませんでした。

 今年10月には、沢井製薬(大阪市淀川区)の九州工場(福岡県飯塚市)で8年前から、品質試験を不正な手順で行い、国の基準をクリアしたように見せ掛けていたことが発覚しました。製薬会社の品質管理に対する意識の低さが問題視されています。

 厚労省の担当者は、「現在の検査体制では十分に対応できていない。巧妙な違反行為にも対応できるようにしたい」としています。

 2023年12月10日(日)

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