患者に対する手術の説明や診療記録の取り扱いが不適切だったとして、京都市が18日までに、東山区にある京都第一赤十字病院に対し、改善を求める行政指導をしていたことが明らかになりました。対象となった3件のほか、手術後に患者が死亡するなどした事例が複数あるとし、市は3月までに再検証した上、改めて報告するよう求めています。
市によると、いずれも同病院の脳神経外科で確認されました。2020年に行われた脳腫瘍の手術を巡っては、予定外の再手術となったことを家族に説明した記録がありませんでした。同年、手術後に死亡した別の患者の死亡診断書には、「手術なし」と事実と異なる記載をしていました。また、2021年には、研修医の医療処置を受けた患者が死亡したものの、遺族には処置を施した説明をしていなかったといいます。
市は外部からの情報提供を受け、昨年10月から医療法に基づく立ち入り検査を3回行いました。病院は脳腫瘍の再手術が行われた患者について、「医療事故という認識はあった」と市に説明しました。一方、院内の医療安全管理委員会には適切に報告されなかったといいます。また、患者が死亡したにもかかわらず、最も低い評価として報告された例もありました。
市には3人の患者以外にも、2019~2021年にかけて手術後などに9人が死亡し、ほかにも3人の患者で不適切な対応があったとの情報が寄せられており、病院に再検証を要請しています。
京都第一赤十字病院は、「市からの病院運営に関する指導を真摯(しんし)に受け止め、適切に対応していきたい」とコメントしています。
2024年1月18日(木)
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