早期の乳がんの患者に対し、胸に細い針のような電極を刺して熱でがんを焼いて死滅させる新たな治療法が昨年12月に保険適用となり、東京都内の病院で25日から患者への治療が始まりました。乳房を切除する手術よりも負担の少ない治療になると期待されています。
この治療法は「ラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法」と呼ばれ、がんの中に外から細い針のような電極を刺して、ラジオ波帯の電流を流し、発生する熱によってがんを死滅させるもので、新たに早期の乳がんへの治療法として昨年12月15日、保険適用となりました。
これを受けて東京都目黒区の東京医療センターでは、25日からこの治療法を始め、医師が画像を見ながら、患者の胸に慎重に電極を刺して治療を行いました。
乳がんの治療は早期でも乳房の一部や全部を切除する手術が中心となっていますが、この治療法は、傷が小さいため体への負担も少なく、これまでの臨床研究では、切除手術と同等の効果が認められたということです。
対象となるのは、がんが1つだけで、がんの大きさが1・5センチ以下などの条件に合った早期の乳がんで、治療は日本乳癌学会が認定した医療機関で行われるということです。
臨床研究で代表を務めた東京医療センターの木下貴之副院長は、「乳房を切除せずに治療できるのは患者さんにもメリットが大きいはずだ。この治療が行える施設を増やせるよう、普及に力を入れたい」と話していました。
2024年1月29日(月)
0 件のコメント:
コメントを投稿