サッポロビールは9日、今後新商品でアルコール度数8%以上の缶チューハイを発売しない方針だと明らかにしました。割安な缶チューハイの中でも度数の高い「ストロング系」は手軽に酔えるとあって、40~50歳代の男性を中心に根強い人気を集めてきたものの、専門家からは依存症への懸念の声も上がっています。サッポロビールは「健康意識が高まっている中で商品構成を見直した」といいます。
サッポロビールが発売する缶チューハイのうち、8%以上の商品を最も多く発売していた2018年末には20商品ありました。現在は度数9%の「サッポロ 超男梅サワー」1商品のみで、「同商品の販売を継続するかは検討中だ」としています。
高アルコール商品に強いサントリーは「マイナス196℃ストロングゼロ」シリーズなどを展開する一方、ほかの酒類大手では商品数を減らす動きが目立っています。
キリンビールも、8%以上の缶チューハイを10商品にとどめ、商品数を減らしています。
アサヒビールも、今後投入する缶チューハイはすべて8%未満に抑える考え。同社が現在販売している8%以上の缶チューハイは、セブン&アイ・ホールディングスと共同開発した度数9%の「クリアクーラーストロング レモン&ライムサワー」のみです。
アサヒビールも、適正飲酒を推進する観点から削減を進めてきました。2020年末の79商品から2021年末に34商品に減らし、直近はセブン向けの1商品だけになっていました。一定の需要があるため、現時点ではすぐに終売する予定はないといいます。
厚生労働省は適切な飲酒量の判断に役立ててほしいとして、「飲酒ガイドライン」の素案を2023年11月に策定しました。1日当たりの「純アルコール量」で、男性は40グラム以上、女性は20グラム以上を摂取した場合に生活習慣病のリスクを高めるとしています。度数7%の350ミリリットル缶1本を飲みきると、20グラム相当の純アルコール量となるとなります。
2024年2月9日(金)
0 件のコメント:
コメントを投稿