重い腎臓病の胎児が生後、別の治療を受けられるようになるまで、一時的にブタの腎臓を移植する国内で初めての臨床研究を東京慈恵会医科大学や国立成育医療研究センターなどのチームが計画していることが6日、わかりました。チームでは、年内にも国が認定する委員会への申請を目指すということです。
臨床研究を計画しているのは、東京慈恵会医科大学の横尾隆主任教授などのチームです。
計画は、生まれる前から腎臓が働かず、十分に尿が作れない「ポッター症候群」の胎児にブタの胎児の腎臓を移植するもので、出生後に人工透析による治療ができるようになるまでの、一時的な治療を目指しているということです。
動物の臓器や細胞を人に移植する「異種移植」は拒絶反応が大きな課題ですが、チームによりますと、ブタの胎児の腎臓は拒絶反応が起こりにくく、人工透析ができるようになれば移植したブタの腎臓は取り除くということです。
一方、異種移植には倫理的な課題も指摘されていることから、チームでは市民の理解が得られるかを踏まえながら慎重に準備を進めるということで、今後、研究施設の倫理委員会で審査を受けた上で、年内にも国が認定する委員会への申請を目指すことにしています。
異種移植が実際に行われれば、国内では初めてだということです。
横尾主任教授は、「治療法がない子供に生きる希望を与えられる治療法だと思う。社会に許容されるのか、安全性、有効性、そして倫理面の3つをしっかり検証しながら進めたい」と話しています。
2024年2月6日(火)
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