小林製薬は17日、紅麹(べにこうじ)の成分を含むサプリメントを巡る一連の問題を受けた再発防止策を公表しました。
品質や安全への意識改革を図るため、責任を担う部署の明確化のほか、創業家依存から脱却し、ガバナンスの抜本的な改革に取り組むとしました。
小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを巡っては、摂取した後、腎臓の病気を発症するなど、健康被害の訴えが相次いでいて、経営責任を取る形で、創業家出身の会長と社長が辞任し、8月、紅麹関連の製品の製造や販売を行う事業から撤退することを決めました。
一連の問題を受けて、会社が17日に公表した再発防止策によりますと、品質や安全への意識改革を図るため、品質保証や安全管理の責任を担う部署を明確にすることや、開発部門と工場の間で、製造工程の課題について検討する場を設けることなど、体制を強化するとしました。
また、意識改革の一環として、重要な経営目標として掲げていた「連続増益」を中期経営計画から削除するとしています。
さらに再発防止策では、問題の公表が遅れたことを受け、創業家依存の経営からの脱却や、意思決定機関の刷新など、ガバナンスの抜本的な改革に取り組むことも盛り込みました。
「同調圧力が働きやすく、創業家の意向をくんだ意思決定になっていた」として、同質性を排除し、多様な人材の確保などを進めるとしました。
再発防止策について、小林製薬の山根聡社長は「1日も早くという思いで再発防止策を定めた。今後は全社一丸となり、皆さんが製品を安心して使えるよう、再発の防止に真摯(しんし)に努めていく。新たな会社に生まれ変わることを誓う」と述べました。
2024年9月18日(水)
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