子宮けいがんなどを防ぐHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種機会を逃した人に対する「キャッチアップ接種」で、ワクチンの需要が増え、製薬メーカーが出荷を制限していることがわかりました。初回の接種は11月末までに打つ必要があり、厚生労働省は希望者が期限内に接種できるよう対策を検討しています。
子宮けいがんなどを防ぐための「HPVワクチン」をめぐっては、接種後に体の痛みを訴えた人が相次ぎ、厚労省が2022年3月までの9年間、積極的な接種の呼び掛けを中止していました。
この間に接種の機会を逃した女性に対し、厚労省は無料で受けられる「キャッチアップ接種」を来年の3月末まで実施しています。
ワクチンは3回接種し、初回は11月末までに打つ必要があるとされていて、それに間に合わせようと接種を希望する人が増えています。
そうした中、ワクチンを製造する製薬メーカーでは、在庫が少なくなり、10月3日から出荷を制限していることがわかりました。
医療機関側からの注文に対し、すべてを供給することができない状態になっていて、一部の医療機関では接種の予約を中止する動きも出てきています。
厚労省によりますと、地域の医師会から「ワクチンが足りない」という相談や「接種期限を延長してほしい」といった要請が寄せられているということです。
製薬メーカーによりますと、現在、増産を急ぎ、11月は制限前の9月と比べて6万回分多い約68万回分のワクチンを供給する見通しだということで、厚労省はすべての希望者が接種できるよう対策を検討しています。
厚労省は、「接種の予約が取りにくい地域も出ているが、希望する人は複数の医療機関に問い合わせてほしい」と呼び掛けています。
2024年11月3日(日)
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