世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症の起源を解明するため中国に改めてデータ共有を求めたのを受け、中国政府は12月31日、新型コロナウイルス感染症に関する情報は「一切包み隠さず」共有したと強調しました。
新型コロナウイルス感染症は2020年12月、中国湖北省武漢市で初めて発生が明るみに出た後、世界中で大流行。数百万人の命を奪い、経済を破壊し、医療を逼迫(ひっぱく)させました。
WHOは12月30日、中国がさらなるデータを共有するのは「道徳的かつ科学的な義務だ」と訴えました。
これに対し中国は、同国は新型コロナウイルス感染症の起源解明調査に「最大の貢献」を果たしたと主張し、透明性を強調しました。
中国外務省の毛寧報道官は31日の記者会見で、新型コロナウイルスの発生源を巡って多くのデータや研究成果を共有してきたと主張し、「中国は感染状況に関する情報やウイルスの遺伝子配列について直ちに、一切包み隠さずWHOや国際社会と共有し、感染との闘いのために大きな貢献をした。調査はグローバルな視野に基づいて多くの国や場所で行われるべきだ」などと述べました。
だが、パンデミックの際、WHOは中国当局には透明性と協力が欠けていると繰り返し批判していました。
WHOの率いる専門家チームと中国の専門家は2021年初め、新型コロナウイルス感染症の起源に関する調査を実施。共同報告書では、おそらく市場でコウモリから別の中間宿主を経て人に感染したとする仮説を支持しました。
専門家チームはそれ以来中国を訪問できておらず、WHOは中国に対しさらなるデータを共有するよう繰り返し要請しています。
2025年1月1日(水)
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