おう吐や下痢を引き起こすノロウイルスなどによる「感染性胃腸炎」の流行が続いています。4月9日までの1週間に全国の医療機関から報告された患者の数は、この時期として過去10年で最も多くなっていて、専門家は手洗いを徹底するなど対策を呼び掛けています。
国立感染症研究所によりますと、4月9日までの1週間に全国およそ3000の小児科医療機関から報告された「感染性胃腸炎」の患者の数は、1医療機関当たり11・38人と前週から1・55人増えて、5週連続でこの時期として過去10年で最も多くなりました。
都道府県ごとにみますと、大分県で21・44人、愛媛県で20・08人、香川県で19・93人、鹿児島県で17・86人、熊本県で17・78人などとなっています。
国立感染症研究所によりますと、原因の1つとされるノロウイルスは主に患者の便やおう吐物のほか、汚染された食べ物などを介してウイルスが口に入ることで感染し、おう吐や下痢などを引き起こします。
感染症が専門で、群馬パース大学大学院の木村博一教授は、「学校が休みに入ると患者数が落ち着く可能性もあるが、感染の火種がなくなるわけではない。ノロウイルスは数年に一度、大きな流行が起きるので、今後さらに患者の数が増えることも考えられる」として、手洗いの徹底など対策を呼びかけています。
木村教授は具体的な対策として、患者のおう吐物を処理する際はマスクと手袋を着用し、拭き取った雑巾やタオルなどはビニール袋に入れてから捨て、直接触らないようにすることが有効だとしています。
トイレの便器やドアノブにもウイルスが付着している可能性があるため、指の間や親指の付け根、手のひらなどを中心にせっけんを使って流水で念入りに洗うほか、トイレでスマートフォンに触らないことも重要だとしています。
また、これから学校が春休みに入って、子供が家で過ごすことが多くなる中、食事をとったり、おやつを食べたりする前には、よく手洗いをすることが感染を広げないために大事だということです。
厚生労働省によりますと、ノロウイルスの患者のおう吐物などが付着した床などを拭く際は、家庭用の漂白剤などに含まれる「次亜塩素酸ナトリウム」による消毒が有効なほか、衣類などは85度以上のお湯で1分以上消毒することが有効だということです。
2025年3月20日(木)
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