救急の現場に居合わせた人が心臓マッサージなどを行う際、過去に講習を受けた経験があったり、消防から電話で指導を受けたりした場合は、患者が回復する割合が高くなるという研究結果を東京慈恵会医科大学などのグループがまとめました。
東京慈恵会医科大学の田上隆教授らのグループは、一般市民による心肺蘇生が患者の回復に与える影響を調べようと、2021年3月までの1年半に関東地方にある42の病院に、心停止となって搬送された2700人余りのデータを分析しました。
その結果、搬送から1カ月後の時点で、脳などに重い障害が残らず回復した患者の割合は、心肺蘇生が行われなかった場合は3%でした。
それに対し、過去に心肺蘇生の講習を受けた経験がなくても、119番通報した電話で消防の職員から指導を受けながら行った場合は7・4%、講習を受けた経験があり電話指導も受けながら行った場合は15・7%と高くなったということです。
総務省消防庁のまとめによりますと、心筋梗塞などで心停止となって救急搬送される患者は、国内で1年間に約9万人いるということです。
田上教授は「講習はもちろん大切だが、講習を受けていなくても、119番通報の電話でやり方を教えてくれるので、対応に協力してほしい」と話していました。
2025年7月7日(月)
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